日常生活と深くかかわるだけに“困り度”も高い、ご近所トラブル。読者の皆さんも、いろいろな場面で「あ〜あ…」とため息をつ いているようです。今回は、そのトラブルが解決へと進むためのヒント集。お互いに気持ちよく暮らせるよう、できることから始めてみませんか。
野良猫、ではなく“まちねこ”。住民の合意のもと、地域でその猫を飼育しようという取り組みが、昨年から京都市が始めている「まちねこ活動支援事業」です。
「野良猫被害の相談の多くは、ふんや尿のにおい。それに鳴き声、ゴミをあさるなどでも困っている人が多いんです」と、市内保健センター窓口での相談内容を話すのは京都市保健福祉局保健医療課の河野誠さん。
この事業の目的は、「野良猫を減らす」こと。「エサを与えたいけれど増えるのも困る」という市民の思いも反映されています。
事業に参加するには、同じ地域で3人以上の活動団体を組織することからスタート。町内会などで活動の理解、保健センターによる支援地域の決定を経て、(社)京都市獣医師会の協力を得ながら無料で、猫に避妊去勢手術を実施します。その後は、まちねことして地域で暮らすのです。
「トイレの設置やえさやりも地域の方々にしていただくので、大変だと思います。でも、この事業を通して、地域の人たちとコミュニケーションを取れるようになったという声も届いているんですよ。地域がより良くなっていくための活動として根付いていけばうれしいですね」(河野さん)
現在、同事業には約20のグループが参加しています。その中の一つのグループで中心となって活動している近藤さんが、この事業を知ったのは昨年の夏ごろ。
「町内で、猫のえさやりが大問題になってきて。えさをやりたい人、ふん害や悪臭に困っている人、どちらも納得するための方法として、この事業の参加を提案したんです」
現在、登録されている猫は14匹。そのうちの9匹の避妊去勢手術が済んでいます。
「一番ネックになる避妊去勢手術の実施を市が行ってくれるので取り組みやすいのではないでしょうか。今は、野良猫から、まちねこになって、みんなで世話をしようという動きが出てきました。これまで遠慮してたけど、実は猫好きだったという人も出てきて(笑)、情報交換もしながら長い目で活動を続けていきます」
京都市環境政策局循環型社会推進部まち美化推進課の谷垣淳さんに聞いたところ、「京都市では、前夜からのゴミ出しはカラスなどによる散乱の原因となるため、収集日当日の朝8時までにゴミを出していただくようお願いしています。ご相談があれば、前夜からのゴミ出しを控えていただくようお願いするビラを、お困りの地域に配布するなどの啓発を行うこともできます」とのこと。
“分別”“不法投棄”などについても、ビラや看板などで付近一帯に注意を呼びかけることもできるそう。
また、京都市ではゴミの散乱被害防止のために「カラスネット無料貸与」(条件あり)を行っています。ボランティア清掃に対する助成として、ゴミ袋・軍手の支給、火ばさみの貸与なども実施。いずれも問い合わせは、同課や市内に10カ所ある「まち美化事務所」、各区役所・支所にある「エコまちステーション」に問い合わせを。
迷惑という問題だけではなく、事故にもつながる恐れがある路上駐車。
「道路に止めている車の陰から子どもが飛び出してきて事故にあうことも考えられます」と京都府警察本部交通部 駐車対策課の山嵜正三さん。
「また住宅地の狭い道に路上駐車がされていると、消防車や救急車の通行の妨げにもなるので、万一のときに消火活動や人命救助に支障をきたします。
道路交通法では、ガレージの出入り口から3m以内などは駐車禁止と決められています。長時間の路上駐車の場合、ガレージ法違反が適用となることもあるため、困ったときは警察に相談・通報してください」(山嵜さん)
昨年1年間で、京都府内では駐車に関する苦情は約1万5000件。「それに伴い、取り締まりも厳しく、パトロールも強化しています」