テレビ放送の大きな転換期だから ちゃんと知りたい、地デジのこと

ちゃんと知りたい、地デジのこと

地デジ化にはこんな意味があった!

テレビ放送の一大転換期

私たちがすぐに実感できる地デジの利点といえば、映像がキレイになったり、番組表がテレビで見られるようになったり、データ放送で天気予報がいつでも見られたり。確かに便利だけど、「こんなにお金や手間をかけたのに、地デジ化のメリットってこれだけ?」と思う人もいるかもしれませんね。

「今回の地デジ化は、社会全体にとってはさまざまな利点があるんです。後年歴史の教科書にも載るかもしれない。そのくらいの一大転換期なんですよ」と語るのは、立命館大学映像学部教授・細井浩一さん。

「テレビ放送開始以来、テレビ局には多数(40くらい)のチャンネルが割り当てられています。これは、地域ごとに使用するチャンネルを替えることで、混信を防ぐため。でもそのために、使用していないチャンネルが多数ある。これを“ホワイトスペース”といいますが、テレビ局の持つ電波の相当な割合がこれに当たるともいわれています。一方で携帯電話やインターネットなど、電波の需要は高まる一方。電波は限りある資源ですから、地デジ化によってテレビ放送用の電波を整理することで、このホワイトスペースを有効活用できるというのが地デジ化の大きなメリットです」

また、地デジ化でテレビがネットにつながるようになりますが、「パソコンがなくてインターネットが使えない人もいますが、テレビなら大抵の家にありますよね。より多くの人に情報通信技術の恩恵が行き渡るようにするためにも、地デジ化が大切なのです」

新たなメディアに期待を

細井さんの講座では、大学初の本格的なワンセグ放送局を設置。ワンセグ放送のキャンパスでの活用について実証実験を行っています

余裕ができた電波を使って、緊急災害時に現場の状況を映像で先に搬送先の病院に送り、的確な対応が取れるようにするなどの案が総務省からは発表されています。

「総務省ではホワイトスペースを使って何ができるかのアイデアを公募し、現在審査中です。個人やNPO、地域コミュニティーや自治体などが独自の放送を制作することもできるし、今は思いもつかないようなさまざまなことができるはず。アメリカで一足先にホワイトスペースの有効活用が始まっていますが、まだこれという案は登場していません。でもそのうち、『ああ、このために地デジ化をしたのか』と皆が納得できるような、画期的なアイデアが誕生するはずです」。そんな時代の転換期に立ち会えるんだと思うと、何だかワクワクしてきますね!

「テレビ大阪」の受信はどうなるの?

「地デジ化したらテレビ大阪は京都では見られなくなるのでしょうか(上京区 まなおとさんほか)」という声がたくさん寄せられました。テレビ大阪に尋ねましたよ。

「アナログで見られていたのに、デジタルになったら見られないというのはおかしいですよね。当社では、地デジ移行後も今までご覧くださっていた方々が受信できるよう、さまざまな対策を行っています」とテレビ大阪経営戦略室の北浜義信さん。

まず、アンテナをつけなくても見られるのはケーブルテレビとインターネット光ファイバーを利用したテレビサービスです。「J:COM京都みやびじょん、K-CAT、KCN京都、洛西ケーブルビジョン、eo光テレビ、フレッツ・テレビのいずれでも、7チャンネルでご覧いただけます」とのこと。

「昨年7月には、テレビ大阪枚方中継局の改修が完了しましたので、今までどおり枚方方面にアンテナを向けていただければ受信していただけます。地デジ化後映らなくなったり、映像が安定しない方も、アンテナの向きや高さ、ブースターなどを調整すれば十分映る可能性はありますので、京都府電機商業組合加盟の電器店にご相談を」

ただ、アナログで極端に映像が悪かった場合などは、映像が途切れたり映らない場合もあるのだそう。「京都はビルと戸建が混在した独特の地域で、地デジ化で新たに難視になる場合もあります。相談専用ダイヤルを設けていますので、詳細はお問い合わせください」

テレビ大阪受信ナビダイヤル
TEL:0570(064)706(土日祝を除く午前10時〜午後6時)


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