百貨店やショッピングセンターなど、すでにおなじみの施設も大幅にリニューアル。さらに魅力を増した3スポットにも、ショッピング事情に変化が。
「身近になった」という声も
母娘での来館も増加
20〜30代をターゲットに、ファッションや雑貨を充実させて1・2階が一新。より身近で親しみやすい百貨店に生まれ変わりました。実際、幅広い年代の女性客が増えているよう。靴売り場も2階から1階に移転。
下京区四条通高倉西入ル、TEL:075(211)8111
10〜20代の女性も魅了
専門店がにぎやかに
既存の店舗が館内移転や改装をするほか、キッズ服や婦人服などの新店舗を迎え、さらに活気あふれる空間に。ファミリーや主婦層のほか、10代後半〜20代の女性客も増えたそう。キッズトイレや授乳室も登場。
右京区西院追分町25-1、TEL:075(326)8701
ワクワク感が高まる
「京都ロフト」が仲間入り
「価格以上の幸せや楽しさ」がテーマの同館に「京都ロフト」(地下1階〜地上4階)が引っ越してきました。豊富な生活雑貨に子どもも大人も楽しんでいるよう。「ユニクロ」やグルメショップはそのままに。
中京区河原町通三条下ル大黒町58、TEL:075(222)8470
いよいよ来春デビュー
京都マルイ(四条河原町南東角)
四条河原町の新しいランドマークとなりそうなのは、京都初出店となる「マルイ」。出店に向け、店づくりや品ぞろえに一般の人が参加するユニークな取り組みも。どんな店になるのか今から楽しみです。ファッションや雑貨を中心とした幅広い商品展開で来春オープン予定。
レトロモダンな商業施設に
島津製作所の旧本社ビル(河原町通二条下ル)
昭和初期に建てられた洋風建築の「島津製作所」の旧本社ビル「河原町別館」。長らく使われていなかった歴史あるこのビルは、レトロモダンな雰囲気を生かした商業施設に活用されることが決定しました。来春から工事が始まり、2012年にはオープン予定。
話題のスポットがたくさんできたことは、私たちの日常の消費行動にどんな変化をもたらしたのでしょうか? そこで読者に聞いてみると、「変化があった」と答えたのは54人、「特にない」と答えたのは57人と、意見は二分。その中の声を紹介します。
新施設の誕生は、京都の経済や人の流れにどんな影響があったのでしょうか。京都大学でマーケティングを研究している若林靖永さんに聞きました。
人の流出を防ぎ、都市の“健全”さが保てる
商業とは変化に対応しながら活性するものなので、新しい店ができること、つまり新陳代謝が起こっていることは都市が健全な証拠です。
京都は広大な土地が開放されることがなかなか難しい。そのため、これまでは大型商業施設を求めて他府県や郊外の施設に人が流れていた側面も。今回のショッピングモールや大型家電量販店などの登場は、そのような人の流出を防ぐ効果もあるでしょう。
また、新施設の出現が周辺の中小小売業にも刺激を与え、エリア全体が活性することも期待されます。
今後は、京都独自の魅力の発信がカギ
現代のような、モノが充実している中でも、“京都初出店”といった目新しさは消費活動の原動力になります。読者の声にもあるように、消費者の買い物の選択肢は広がったことは事実。ですから、今、京都の人の消費活動は“刺激されている”といえるでしょう。商業施設側は、その動きが一過性のものとならないよう、魅力を創造し続けることが重要です。
さらに、京都の経済全体が元気でいるためには、都市間競争や外国人観光客の誘致も視野に入れた、京都らしい魅力の発信が商業施設に求められていくと思います。