- お姉さんとお母さんと一緒に、建築事務所をしている知人がいます。女性3人、しかも家族で家づくりをしているなんてユニーク!(城陽市・UTさん)
左京区岩倉にある「株式会社ミセスリビング」。代表取締役の宇津﨑光代さん(63歳)は、長女の友見さん(41歳)、次女のせつ子さん(37歳)とともに「住育(じゅういく)の家」という商標登録をとり、家づくりをしています。
「間取りを工夫して、『家事や片付けがしやすく、ストレスが少ない』『家族が自然にコミュニケーションが取れ、仲よくなれる』家づくりをし、よりよい家族関係を築くお手伝いをしたいんです」と光代さん。
そんな光代さんの前職は小学校教諭。今は亡き夫の営む工務店を手伝うため、20代のころ建築業界に飛び込みました。
「施工現場では、“主婦にとっては不便な間取りだな”と思うことがよくありました。でも、それを言うと“素人は黙っとけ!”と怒られて。悔しかったので、仕事と家事の傍ら、建築などについて猛勉強しました」
そんな光代さんを励ましてきたのが、当時小学校・幼稚園に通っていた友見さんとせつ子さん。
「母はいつも、ばかが付くほど一生懸命な人。施主さんのために、工務店の人とけんかして泣いてることもあって。妹と私は、仕事が忙しかった母と交換日記をしていたんですが、よく“早く大きくなって助けてあげるからね”と書いてましたね」と友見さん。
「私も“働いてるお母さんはカッコイイ! 早く仲間に入りたい”と思ってたなぁ」とせつ子さん。
その言葉通り、友見さん、せつ子さんは同社に入社。一級建築士で収納にも詳しいせつ子さんは、家づくりの「ハード面」を担当。人前で話すのが得意で、心理学に関心を持つ友見さんは、「家の間取りが人の心に及ぼす影響」といったテーマで大学で講義をしたり、各地で講演を。施主との打ち合わせで家づくりの悩みを聞き出すための方法を考案するのも彼女の役割。母・光代さんが打ち出した「住育」というキーワードを異なる切り口から深め、会社を盛り立てます。
「2人の活躍は頼もしい限り。今ではすっかり私を超えてます」と光代さん。「私がしてきたのは、ただ必死に働いてきただけ。でも、それでよかったのかも。育児であれ仕事であれ、親が一生懸命な姿を子に見せることが大切だと思います」
ミセスリビング「住育の家づくり」
TEL:075(705)0707 http://www.mrs-living.co.jp