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身近なのに知らないことがいっぱい!極めたい“卵”

卵に関するギモン

卵に関するギモン卵について知っているようで知らないこと。
京都女子大学栄養クリニック指導員の木戸詔子さんに聞きました。(※写真の卵は山田農園のものです)



卵にはどんな栄養がありますか良質のたんぱく質、すなわち必須アミノ酸をバランス良く含んでいます。特に卵黄は、脂質、ビタミンA、E、D、B群や鉄、リンが豊富。卵はたんぱく源としては最も安価で、貯蔵性も高く、調理もしやすい。ぜひ食べてほしい食品です。


1日何個まで食べていいのでしょう 卵は成長に必要な栄養をたくさん含んでいるので、健康な人であれば1日1個は食べてほしいもの。たまには2~3個食べても大丈夫ですよ。


コレステロールが気になる場合は食べないほうがいいですか 絶対食べてはいけないというわけではありません。2~3日に1個はいいと思いますが、コレステロール代謝は人によって異なるので、気になる人は医師と相談を。


血が混じっている卵は大丈夫? 卵は長い卵管を通って形成されるので、血が混じるのは珍しいことではありません。気になるならその部分だけ取って。


卵の殻は洗ったほうがいいでしょうか。洗剤をつけて洗うこともあるのですが… 一般に市販の卵は温水でフンや羽などを洗い流してからパック詰めされています。洗いすぎると、「クチクラ」という抗菌効果のある膜が取れてしまいます。また殻には空気が通る微細な穴があるので、洗剤で洗うと中に染みこむ恐れがありますよ。


生卵とゆで卵は栄養価が違うのでしょうか 栄養価は変わりませんが、卵白たんぱく質の消化性に差が出ます。消化時間は、半熟卵で1時間15分、生卵で2時間25分、卵焼きで3時間、固ゆで卵で3時間15分。胃腸が悪いときには気をつけてくださいね。


鶏は1日に何個卵を産むのでしょう 通常、鶏は産卵した刺激により排卵が起こり、その24+α時間後に次の卵を産みます。ただし日中にしか産みません。


なぜ大きさに違いが生じるのでしょう 鶏はだいたい4カ月ごろから産卵し始めますが、成長にしたがって卵が大きくなっていきます。


生卵とゆで卵、どちらが長持ちしますか 生です。生卵の殻には「クチクラ」という抗菌性の層が付いていますが、ゆでると簡単に取れてしまいます。また卵白中にある殺菌作用のあるリゾチームという酵素も加熱で効力がなくなります。殻付きゆで卵は、なるべく早く利用を。1~2日中、長くても3~4日が無難です。


赤玉と白玉の違いは? 鶏の品種や遺伝によります。羽根が褐色の鶏は赤玉を産みます。


有精卵と無精卵は味や栄養価が違いますか 全く違いはありません。


保存は冷蔵庫に入れなくてもいい? 卵は低い温度で保存するべきもの。スーパーなどは室温が低く、コストの兼ね合いもあり冷蔵されていないところもありますが、家庭では必ず冷蔵庫に入れましょう。


卵の賞味期限はどれくらいですか 卵の鮮度は温度に大きな影響を受けます。一般には、冷蔵庫保存で、採卵日から夏は2週間、冬は1カ月を目安にするとよいでしょう(生食も)。


こだわり卵の生まれる農場

一口に卵といってもさまざまな値段がありますね。高い卵には、きっとそれなりの理由があるはず。1玉70円、京都の名料理店がほれ込んで使っている卵を生産する「山田農園」を訪れました。

「鶏も集団で飼っていると、上下関係もあればいじめもある。人間社会と同じですね」と山田さん

「山田農園」があるのは自然豊かな大原。ここで約2500羽の鶏が平飼いで育てられています。
同園の山田良介さんの案内で、鶏小屋へ。「この品種はオスが白、メスが褐色。オスがいたほうがメスの精神状態もいいので、1割程度オスも混ぜています」。エサを与えたときには面白い反応が見られるそうで、「オスはまず鳴いてメスを呼び、先にメスに食べさせるんです。オスはその間見ているだけ」。何というレディーファースト!
同園では2カ月に一度、ヒヨコが入れられます。「当園の卵は有精卵ですが、かえしても同じ鶏はできません。だからヒヨコの状態で取り寄せるのです」。こちらの鶏は6カ月くらいから産卵し始め、1歳くらいで産卵のピークに。「初産のときに卵が詰まって死んでしまう鶏も多いんですよ」。だから若い鶏の卵は小さいんですね。



味の決めてはエサにあり

エサの材料。驚いたのは、小石! 「鶏は砂ずり(砂肝)に小石を溜め込んで、それでエサをすりつぶして消化するんですよ」

「何よりこだわっているのは卵の味。うま味のもととなるアミノ酸が豊かで臭みがないのが理想ですが、それを左右するのがエサなんです」と山田さん。見せてくれたのは、15種類のエサの材料です。「開園以来35年、エサの配合比率を試行錯誤してきました。当園独自の材料もありますよ。パプリカやマリーゴールドは黄身の色を濃くしてくれます。竹炭は成長を良くし、におい消しに。ヨード(海藻)や山田製油さんのゴマの搾りかす、チベット岩塩のほか、最近は肉骨粉の代わりにカニガラを加えています」。これだけのエサに対するこだわりや手間ひまがかけられて生まれた卵。その値段にも納得です。



※卵の販売店:

京都大原山田農園たまご工房(左京区修学院犬塚町11─1)
TEL:075(777)2040



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