左京区の吉田山の中腹にある「吉田山荘(よしださんそう)」の敷地内にある「カフェ真古館(しんこかん)」は、完全予約制の小さなカフェです。
吉田山荘は、1932年(昭和7年)に東伏見宮家の別邸として建てられた建物で、戦後は料理旅館となっています。その敷地内に、昔は車庫として利用されていた洋風の建物を改装したカフェ「真古館」があります。しばらくリニューアル工事のため休業されていたのですが、この春から完全予約制のカフェとして営業を再開されたため、お散歩がてら行ってきました。
レトロ可愛い旧車庫の建物
料理旅館をされている本館は和風の建物ですが、真古館の建物は洋風でレトロな雰囲気です。2階がカフェ、1階は物販とギャラリーになっています。時期によっては個展が開かれていることも。
現在は完全予約制なので、1階で予約名を告げて2階の席に案内してもらいます。2階は板張りの床に木のイスやテーブルが配置されていて、落ち着いた雰囲気。四方に窓にあるため、どの席からも景色が楽しめます。訪問した時期は窓から見える新緑が綺麗でした。
建物は、内部もレトロで可愛いデザインがあちこちにあります。屋根の形に沿った斜めの天井や、ランプのような照明の形も可愛くて私のお気に入りポイントです。ちなみにこのカフェは、2016年に「京都本大賞」を受賞した「京都寺町三条のホームズ」という小説の続編「京都寺町三条のホームズ4」の舞台にもなっています。小説好きの私にとって、「聖地巡礼(小説や漫画、アニメの舞台になった場所などを訪ねること)」ポイントでもあります。
和歌と一緒に楽しむ雅なカフェタイム
ドリンクやスイーツには、吉田山荘の大女将さんが書かれた和歌が添えられています。とても達筆で美しいけれど読めないかも!?となりそうですが、ご安心ください。ちゃんと和歌と和歌の大意が書かれたメモも添えられていますので、どんな歌が書いてあるのか分かります。和歌はその時々によって変わりますが、百人一首や万葉集から取られることが多いようです。今回私がいただいたのは「万葉集」から、大伴家持(おおとものやかもち)の「なでしこが 花見るごとに 少女(をとめ)らが 笑(ゑ)まひのにほひ 思(おも)ほゆるかも」という歌でした。
予約制ということもあってゆっくり過ごせます。窓の外の新緑を眺めながらゆっくりお茶をいただいていると、とても優雅な気持ちになれます。何をするでもなくぼうっと景色を眺めてゆっくりする時間は、バタバタと日常を送りがちな私にとってホッと一息つける良い時間になりました。何もしないことの贅沢……!!
なお、ドリンクについてくる「こうもりクッキー」は一階の物販で買うことができます。こうもりは「幸福を招く」という縁起の良いモチーフなので、お土産に買って帰られる方も多いそうです。シナモンが効いたちょっと固めのクッキーで食べ応えがあって、何より可愛い!
真古館に行かれた際は、物販も要チェックです♪
カフェ真古館
京都市左京区吉田下大路町59‐1(吉田山荘敷地内)
TEL:075(771)6125
https://yoshidasanso.com/dining/cafe/
営業時間等はHPから確認を
プロフィール
miya
在住エリア:京都市左京区
メインテーマ:史跡めぐり/猫
猫と共に京都に移り住んで7年目。散歩やドライブが趣味です。
綺麗なもの、古いもの、おいしいものも大好きです。
京都で出合ったお気に入りの場所や物、猫に関するスポットなどを紹介していきたいです。
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