以前訪れた文化施設内の展示で、ある作品から目が離せなくなりました。
「これはいったい!!!」
信じられないほど細密な鉛筆画。同じタッチの動物画—10作品ほどの前で、釘付けになったのでした。画家は琴塚吉太朗さん。
「凄い方がいらっしゃるものだ」と感心しきりで帰宅したのでした。
実は、新聞記事やミュージアムショップのグッズで、以前作品を拝見したことのある画家さんでした。
そんな琴塚さんの個展がカフェ「TOVIRA(トビラ)」で開催され、期間中在廊されていると知り、ご本人にも是非お会いしてみたくて行ってきました。(~2023年1月22日まで)
展示会場はアーティスティックなカフェ「TOVIRA」
琴塚さん作品の、展示会場となっていたカフェ「TOVIRA」がまた秀逸。オーナーさん自らが、京都市内のいたるところから集めた建築廃材などをアップサイクルさせて作られたと知り、未知の領域に踏み込むワクワク感いっぱいでした。
地図を頼りに向かうと、動物の絵がマッチしそうな店構えのお店を発見。
店内に一歩入るとそこは、色も大きさも異なるタイルやレンガ、流木や形状の異なる建具など、多種多様な素材が混在しているにもかかわらず、芸術的な空間だったのです。まさに廃材がアートへと様変わり。これが、リサイクルでなくアップサイクルなのですね。
ソロバンのこんな使い方、考えたことありませんでしたよ。
琴塚さんの個展は無料ですが、ワンオーダー制となっていたので、コーヒーをいただきつつ作品を拝見しました。
動物園で絵を描く画家さん
琴塚さんの作品は薄墨で着色したような色合いですが、濃さの異なる鉛筆を使用して細かな動物の毛一本一本を描かれ、その密度が濃淡になっていました。貸してくださった虫眼鏡を使って近距離で見ると、細かな毛並みにも流れがあり、丁寧に描き込まれていて驚くばかり。
「キリンの顔には、個体ごとに異なる小さな渦のような毛の流れがあるのですよ」と言われ目を凝らして見ると、確かに渦巻状の毛が描かれていました。
さらに驚いたのは、京都市動物園内で動物を観察しつつ、完成するまで描き続けていらっしゃるということ。それってもう、動物園で住んでるみたいですやん…おかげで、動物たちの個体を識別できるようになっちゃったそうです。凄い!
子どもたちと遭遇すると質問攻めだそうですが、あれやこれや聞きたくなってしまう子どもたちの気持ちがわかります。
店内では、鉛筆作品の原画だけでなく、拡大印刷された動物画や、ストーリー性のあるアクリル画も展示されていて、琴塚ワールドを満喫できる個展でした。
さらに、作品完成までに描かれる多くのスケッチ、5年半分2000枚もファイリングされていて、すべて閲覧可能なので、時間がいくらあっても足りません。
素敵な作品のグッズ―はがき・缶バッジ(各300円)他―の販売もあり、購入すると琴塚スタンプ入りの封筒に入れてくださいました。
在廊されていた琴塚さんに、描かれる道具を見せていただき、楽しいエピソードや動物の不思議を伺い、驚きに満ちた時間はあっという間に過ぎました。
そうして、次回から京都市動物園に行った時には、間違いなく園内で琴塚吉太朗さん探しをしてしまうであろうことが確定した一日となったのでした。
Tovira(トビラ)
京都市左京区高野清水町38-6
https://www.tovira.art/
営業時間等はHPから確認を
「琴塚吉太朗 動物を見つめた五年半の変化」
2022年12月1日(木)~2023年1月22日(日)
※入店は、1オーダー制です
プロフィール
大好チヨ子
在住エリア:京都市西京区
メインテーマ:博物館などのアートイベント/パン屋さん
子育てを終えて、ようやく京都歩きを楽しめるようになりました。知識がない私でも「楽しい!美味しい!美しい!面白い!」と感じたり「知っていたらお得」な情報をゆる~く伝えてゆきたいです。趣味はドラム演奏と、博物館ボランティア。
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