デニムを着こなして大人カジュアルに

2024年5月24日 

リビング編集部

2024年のファッショントレンドである「デニム」。注目のアイテムや、大人が着こなすためのポイントをプロに聞きました。

イラスト/今井有美

色やシルエットを意識して選んで

デニムは、カジュアルなファッションの定番といえます。

「『年齢が上がるにつれて似合わなくなるのでは』と敬遠する人もいますが、アイテムを選ぶときにポイントを押さえることで、すてきに着こなすことができます」とは、「京都髙島屋  3階デニムスタイルラボ」のジーンズソムリエ・尾嵜(おざき)裕美さん。

「デニムにはインディゴ、ライトブルー、ブラックやホワイトなどカラーバリエーションが豊富ですが、色が薄く、ユーズド感のあるものほどカジュアルな印象を与えます。きっちり感を出したいなら濃い色がおすすめ。たとえばインディゴのスカートやパンツは、ジャケットやパンプスと合わせると上品に。ホワイトはきれいめからラフまで幅広くコーディネートできますよ」

また、ジーンズは、デザインもさまざま。

「股上が深いハイライズで、ゆったりとしたシルエットが流行。ストレートデニムやカーブデニムは太ももやふくらはぎにゆとりがあり、体形をカバーしやすいですよ。足首が1〜2㎝見える丈のものも人気。足を細く見せることができます」

ダメージ加工や裾にフリンジ加工が施されたものもありますね。

「ミドル世代は片側だけに少しダメージが入ったものなど、控えめなものを選びましょう。〝やりすぎ〟は、だらしない印象になります」

尾嵜さんに、ジーンズとスカートのおすすめコーディネートを教えてもらいました。

カーブデニム

丸みのあるシルエットで体形をカバー
ウエストとお尻にフィット感があり、太ももからふくらはぎにかけてカーブを描くように広がる「カーブデニム」。トップスはイン、今年はやりのショート丈のジャケットを取り入れ、しっかりとジーンズを見せて。足長効果が期待できます。

合わせたのは…

レースジャケット、タンクトップ、グルカサンダル
タンクトップに透け感のあるレースのジャケットやカーディガンを重ねると、フェミニンな印象に。アウターにはトレンドカラーのコーラルピンクやイエロー、ブルーなどの明るいニュアンスカラーが好相性です。グルカサンダルで足元も涼やか。

デニムスカート

人気はロング丈動きやすいフレアスカートを
ロング丈の「デニムスカート」も人気です。肌を見せるのが気になる人は、スリット加工を避けて。膝から裾にかけて広がるフレアスカートなら、動きやすさと美しいシルエットを両立できます。ロングは重めの印象になるので明るい色のトップスや柄物の小物を合わせ、上半身へと視線を誘導しましょう。

合わせたのは…

スカーフ、サマーベスト、Tシャツ、スポーツサンダル
色鮮やかなスカーフ、肩幅より少し長いフレンチスリーブのサマーベストを合わせて。スカーフに使われている色とベストの色を同系色にするとまとまりが生まれます。足元は、足の甲が見える厚底のスポーツサンダルで足長効果もプラス。

10年前のジーンズも着こなし次第で今風に

眠っていたアイテムにはひと工夫を加えて

10年以上前のジーンズがタンスの肥やしになっている人もいるかもしれませんね。

「体形が変わっているのにそのままはくと、ボディーラインが気になることも。また、デザインが古いものはひと工夫し、新しい着こなしを楽しんでみて」と尾嵜さん。手持ちのアイテムを復活させるコーディネートを聞きました。

スキニーデニム

レギンス風のチラ見せで足を長く見せましょう
足にぴったりフィットする「スキニーデニム」。ボディーラインを見せることに抵抗があるなら、ワンピースと合わせるのがおすすめとか。レギンスやスパッツのように5〜10㎝程度チラ見せすることでトレンドを意識した着こなしに。

合わせたのは…

麦わら帽子、ワンピース、厚底スニーカー、メルカドバッグ
コットン素材の色鮮やかなワンピース、麦わら帽子、プラスチック素材のメルカドバッグでリゾート風のコーディネートに。厚底スニーカーのほか、サンダルでよりリラックスしたスタイルにしてもいいですね。

ボーイフレンドデニム

〝ポケット隠し&トップスイン〟でスタイルアップ
ゆったりサイズでストレートな形の「ボーイフレンドデニム」。以前流行した浅ばきタイプのデニムはお尻ポケットの位置が低いため、より足長効果をねらうなら、ロングジレなどと合わせて。ほかにもトップスの前だけをインすると、古いデザインを隠しつつスタイルアップできます。裾は1回だけ太めに折り返す、ロールアップが今どきとか。

合わせたのは…

前後差のあるブラウス、パンプス
前後差のある丈のブラウスを前の一部だけインすることで、袖や身ごろにボリュームがあっても全身をすっきり見せることができます。こなれ感を出すなら、後ろ襟を背中側に引き下げて「抜け襟」に。パンプスやバレエシューズにはトレンドカラーのシルバーを取り入れて。

2024年のジーンズ事情

「最近のデニム生地は伸縮性に優れ、薄手で柔らかいものが増えています。試着して『数年前のジーンズとはき心地が違う』と驚く方も多いので、ぜひ新しいものに挑戦してもらえたら」と、尾嵜さん。おすすめのジーンズをピックアップしてもらいました。

「シルエットのはやりはあるものの、ジーンズ自体は年齢に関係なく、長く楽しめるのが魅力。はくほどに愛着もわくので、好みのものを見つけてくださいね」

バギーデニム
「お尻から裾にかけて極端に太く、存在感のあるワイドシルエットが特徴。低身長の人に避けられがちですが、トップスをコンパクトにまとめることでバランスよく着こなせるので、むしろチャレンジしてほしいです」

フレアデニム
「膝から足元にかけて広がる、女性らしいシルエット。ジャケットと合わせる、きれいめのコーディネートに向いています」

テーパードデニム
「お尻に丸みがあったり、腰の張りが目立つ人におすすめ。腰回りや太ももにゆとりがあり、裾に向かって細くなるシルエットです。アンクル(足首)丈がトレンド」

ストレートデニム
「裾に広がりがなく、足のラインに沿った真っすぐなシルエット。体形を選ばず取り入れやすいので、きれいめからカジュアルまで幅広いコーディネートを楽しめます」

教えてくれたのは

京都髙島屋
3階デニムスタイルラボ
ジーンズソムリエ
尾嵜裕美さん

(2024年5月25日号より)