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不登校の子どもたちと親のための活動「みんなのひろば いろどり」

2023年10月20日 

リビング編集部

向日市で不登校の子どもたちとその親の居場所づくりをしている市民団体「みんなのひろば いろどり」。自身の体験をもとに活動を始めたという代表とスタッフたちに、その思いを聞きました。

撮影/児嶋肇

座卓に並ぶお茶とお菓子を囲んで、会話が盛り上がっています。ここは、「みんなのひろば いろどり」の代表・林田彩歩さんの自宅。毎月第3木曜日は、同団体による不登校の子どもたちとその親のための居場所「いろどりひろば」が開催されています。

取材に訪れた日は、小学生4人のほか、見学に訪れた母親1人が参加していました。この日のスタッフは林田さん含め4人。親の付き添いがいない子たちもいましたが、何度か来ているそうで、スタッフと打ち解けた様子で話をしています。「このお菓子、はやっているよね」といったたわいのないことや、学校・家族の話など、みんなでひとしきりおしゃべりすると、「外で遊ぼう」と庭へ。

リラックスしておしゃべりを楽しむ子どもたち。「親じゃないから話せることも」と林田さん

林田さんは「子どもたちがやりたいことをとことんやれる場にしています」と。スタッフも加わって、みんなで鬼ごっこや砂場遊びなどを楽しんでいました。子どもたちが遊んでいる間、親たちは情報交換やおしゃべりをしていることが多いそう。

「まずは様子を見たい」と1人で参加した母親は、「いい雰囲気でした。子どももきっと来られると思います」とほっとした様子で帰っていきました。

庭には砂場も設置。子どもたちで話し合い、その日に何をするか決めているそう

季節ごとの企画や農作業体験も

「活動のきっかけは、娘が幼稚園に行き渋るようになったこと」と林田さん。「公園で遊んでいても、会った人に『今日は幼稚園ないの?』と聞かれると悲しい顔になって。そう言われない居場所がないかと探したのですが数が少なく、じゃあ自分でつくろうかと思ったんです」。自身の不登校だった体験も踏まえて、昨年に同団体を立ち上げました。

直後から賛同者が集まり、現在は向日市や長岡京市などに在住する6人が運営スタッフとして参加しています。その一人、過去に子どもの不登校を経験したという菊川さんは、「家にいても親子ともイライラしてしまいます。第三者がいてさまざまな意見が聞けるこの場は子どもにとって大切」と話します。

子どもたちの希望を聞きながら、8月には水遊び、12月にはクリスマスカード作りと季節に合わせた体験も企画。また、「いろどりひろば」だけでなく、参加者で農作業をする「いろどり畑」という活動も行っています。今年の夏は週1回、野菜の栽培や収穫、販売を行ったそう。

「いろどり畑」では農作業だけではなく、子どもたちが販売の仕方も考案

近隣にある不登校の子どもたちのための居場所をまとめたマップも制作中です。

「居場所にも合う、合わないがあります。子どもたちが自分らしくいられるところを選べるようにできれば」とは、スタッフの藤原さん。

「他の団体との横のつながりもつくりつつ、おいおいは月2回、『いろどりひろば』を開催したいですね。保護者のための相談会もできればと考えています」(林田さん)

問い合わせはメール=hiroba.irodori@gmail.com=で。

右からスタッフの藤原さん、代表の林田さん、菊川さん

「いろどりひろば」

毎月第3木曜日 午前10時〜午後2時 ※参加協力金/親子1組500円

「いろどり畑」

毎週火曜日 午後3時〜5時(時間変更あり、雨天中止) ※参加費無料

いずれも要予約。参加希望者は同団体のLINE(ライン)公式アカウント(LINE ID/@290gjkpa)または上記メールに連絡を。

(2023年10月21日号より)