昨年12月、京都市の「健康長寿のまち・京都いきいきアワード2020」の「新しい生活スタイル賞」を受賞した増田晶子さん。踊りで高齢世代の孤立をなくそうと中京区で活動しています。
撮影/桂伸也
「まるたけえびすにおしおいけ」。おなじみの歌に合わせて軽快に踊るのは、中京区に拠点を置く「丸竹夷(えびす)で唄(うた)って踊ろう会」のメンバー。3月下旬に左京区のお寺で行われた練習会には、60代~80代の18人が参加していました。会場内のスクリーンには、オンラインで自宅から参加するメンバーの姿も。
舞踊家の増田晶子さんが主宰する同会の発足は約4年前。もともと高齢者施設で踊りを通じて健康増進の活動をしていた増田さん。京都の通り名歌「丸竹夷」が高齢世代に親しまれていることを知り、オリジナルの踊りを考案しました。同会結成後は月に一度、誰でも参加できる練習会を開催。ところが昨年は新型コロナウイルスの影響により開催が困難に。
「自宅でこもりがちになった高齢のメンバーが、運動はおろか人と話す機会も減り、体力も気力もダウンしていく様子に危機感を覚えたんです」と増田さん。
シニアを独りにさせない
「みんなに自宅でも踊ってほしい」と考えた増田さん。オンラインでの踊りの指導を思い立ちますが、そこには大きな壁がありました。
「電話でメンバーと話してみると、スマートフォンは持っているけれど通話にしか使ったことがないという人がほとんどだったんです」
その活用方法を教えるべく、増田さんが非常勤講師をしている大学の学生8人の協力のもと電話による指導をスタート。一人一人にインターネットへの接続方法から教えていきました。また、会場を借りて「スマホ講座」を開催し、動画投稿サイト「YouTube(ユーチューブ)」、ビデオ会議アプリ「Zoom(ズーム)」の使い方をレッスンしたことも。60歳~86歳の40人が受講しました。11月には市内4カ所をつないでのオンライン盆踊りのイベントが実現し、45人が参加したそう。
会の発足時から参加している田中フジ子さんは、「昨年の夏からスマホを使い始めたんです。丁寧に教えてもらって、自粛期間中も画面の中の増田先生と一緒に楽しく体を動かしていました」と話します。
外出自粛が解除になった今、また集まって練習できるようになりましたが、「これからもオフライン、オンライン両方を活用して、高齢世代の方の孤立をなくす活動を続けたいと思います」と話す増田さん。
「丸竹夷で唄って踊ろう会」の練習会スケジュールほか詳細は、増田さんの活動を一括する「シアーハッピネス」のホームページ(https://sheer-happiness.net/)でチェックできます。問い合わせは増田さん=携帯電話:090(5906)2878=へ。
(2021年4月10日号より)
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