【コレ読んで!】砂丘律

2024年11月1日 

リビング編集部

京都の書店員やカフェ店主がおすすめの本を紹介。
すてきな一冊に出あえそう!

砂丘律
千種創一 ちくま文庫(880円)

砂のように軽やかなリズムでつづられた歌集

歌集というとなじみのないジャンルのように感じられるかもしれません。しかし、短歌の形式をとってはいますが、散文や現代詩に近い内容で読みやすい作品です。

作者が中東のヨルダンやレバノンに住んでいたこともあり、歌の舞台は中東と日本。タイトルの「砂丘」という言葉からもわかるように、少しサラサラとした軽やかな歌が特徴的です。

作者は言います。「感情は、水のように流れていって、もう戻ってこないもの」だが、歌に読んだ瞬間に感情が残る、と。私もこの歌集を読むことで、自らの素直な感情があふれ出し残ることに興味を持ちました。みなさんもぜひ、それを経験してみてください。

■本の紹介者
エレファントファクトリーコーヒー
畑啓人さん
 

(2024年11月2日号より)