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【コレ読んで!】三年九か月三日 那覇市第一牧志公設市場を待ちながら

2023年8月4日 

リビング編集部

京都の書店員やカフェ店主がおすすめの本を紹介。
すてきな一冊に出あえそう!

三年九か月三日 那覇市第一牧志公設市場を待ちながら
宇田智子 市場の古本屋ウララ(1650円)

当たり前にあると思っていたものがなくなったら

那覇の牧志公設市場の周りを歩くと、アーケードが連なり商店がひしめき合っている。黒糖が山盛りになっていたり三線(さんしん)がぶら下がっていたり。道路まで商品があふれ出し、町と店と人が混在となっている。本書を記した宇田さんの営む古本屋もそんな商店の一つ。建て替えのためと公設市場は解体され、雨風から店を守るアーケードもなくなった。

ぽっかりと穴が空いた「三年九か月三日」。

何かを主張するためではなく、誰かに伝えるためでもなく、ただ目で見て感じたことを淡々とつづる。当たり前にあると思っていたものがなくなったら、自分はどう過ごし、どう振る舞うだろう。そんなことを考えた。

■本の紹介者
開風社 待賢ブックセンター
鳥居貴彦さん
 
http://kaifusha-books.com/taiken/

(2023年8月5日号より)