【コレ読んで!】戦場のコックたち

2021年6月18日 

リビング編集部

京都の書店員やカフェ店主がおすすめの本を紹介。
すてきな一冊に出あえそう!

戦場のコックたち
深緑野分 創元推理文庫(1078円)

仲間たちと解き明かす 非日常のなかの「日常の謎」

第2次世界大戦下、歴史上最大規模の上陸作戦となったノルマンディー上陸作戦。まさに兵士として、また軍隊のコックとして入隊した19歳のティムは、この作戦で初めて戦場に降り立つ。

兵士として銃を持ち、コックとしてフライパンを振る、ハードな任務をこなす。そんなある種殺伐とした毎日のなか、600箱の粉末卵が消えたり、怪音が聞こえたり―。ティムは同じ軍隊の仲間と共に、非日常のなかにある「日常」を探し〝謎を解く〟ことを心の慰めにしていく。

第154回直木賞・2016年度本屋大賞候補作になった著者初の長編小説。物語の背景をイメージしながら、じっくりと読み込めます。

■本の紹介者
大垣書店四条店
小林素紀さん

https://www.books-ogaki.co.jp/

(2021年6月19日号より)