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新たなサービスで暮らし方が変わるかも

便利だったり、お得だったり。今、食事や交通など、暮らしに関わる新しいサービスが次々と登場しています。さまざまなサービスの誕生によって、日々の生活の中にも変化があるかもしれませんね。

〝気軽〟がキーワードのサブスクリプション

耳にする機会が多くなってきた〝サブスクリプション〟。定額料金で、一定期間サービスを受けられるビジネスモデルのことです。多分野に広がっていますが、今回は京都でも利用できるグルメ、家具・家電、住まいの三つに注目! 〝気軽に試せる〟のが特徴のようです。

月額定額制で楽しむ毎日のランチ

「always LUNCH」の利用者に一番人気だという牛タンカレー(通常1620円)を運ぶ、「Kitchen KOTO KOTO」の畑さん

昨年10月、四条烏丸周辺の20軒以上の飲食店で始まった「always LUNCH」。1日1回、対象店のランチを値段にかかわらず月額6578円で味わえます。

ウェブで登録をし、定額パスを購入するシステム。運営会社「イジゲン」の佐藤裕子さんは、「気軽にいろいろな店に行くきっかけになれば。京都に多数ある個人店の後押しにもなると考えています」と話します。

「Kitchen KOTO KOTO」(東洞院通四条下ル)も実施店舗の一つ。「面白いサービスだと思い導入。平日は近隣で働く人を中心に、30~40人が利用しています」と、同店の畑啓之さん。四条烏丸のほか、福岡、大阪、東京にも対象店があります。

必要なときだけ必要な家具をレンタル

「家具・家電レンタルストア」は月額209円のアイテムから用意されているそう。約4000点がそろいます(イメージ)

「レンタルなら良い家具を手軽に楽しめます」とは、「家具・家電レンタルストア」を運営する「家具屋」の山本嘉德さん。商品はアプリで選べ、1点でもレンタル可能です。

「子どもが成長すると不要になるベビーチェアなどが人気。今後は学生を対象に、ベッドや洗濯機などの無料レンタルも展開する予定です」

また、「ごみが減り、CO2削減につながる点も、レンタルの良さ」と山本さん。環境を考えることも、サービス選びの指標の一つとなるのですね。

地域との関わりも 全国の拠点が住み放題

京都伏見拠点を含め、「拠点は主に空き家を活用しています」と高本さん

近鉄「近鉄丹波橋」駅から東へすぐ。扉に「もゝ山荘」と書かれた建物が、「ADDress」の京都伏見拠点です。

「ADDress」が提供するのは、月4万円(税別)で全国の複数の拠点に住める多拠点コリビングサービス。拠点は約40カ所(2月時点)。1カ所につき最長1週間住むことができます(京都のみ年間契約シェアハウスとして現在運営)。

「こちらは築60年の元学生寮『もゝ山荘』を改装した物件。私も学生時代に暮らしていたんです」と、〝家守〟の高本昌宏さん。高本さんがフェローを務める「京都市ソーシャルイノベーション研究所(SILK)」との連携により、関西初の京都伏見拠点がオープンしたのは昨年8月のこと。

「子育てをしながら全国を旅する女性、民俗学者などさまざまな会員が契約しています。都市部に集中する人口を地方とシェアし、多様な形で地域に関わる人を増やせたら。地域と会員をつなぐ、よりどころでありたいと思っています」

サービス誕生の鍵は
脱・所有欲求

京都先端科学大学
経済経営学部 教授
袖川芳之さん

新しいサービスについて話を聞いたのは、京都先端科学大学教授の袖川芳之さん。

「近年は業界の壁が崩れ、電機メーカーが自動車を作り、自動車メーカーが車の定額制サービスを始め、コンビニが銀行に参入し、作業服の店がファッション服を展開しています。利便性や機能、価格の面で消費者ニーズがかつての業界の枠をはみ出してきたからです。

新たに誕生する商品・サービスは30代以下の〝新しい消費者〟に焦点を当てています。彼らは所有することに関心が薄いのが特徴で、これが定額制サービスやシェアサービスの普及につながっています。物で着飾るよりも、健康・美容・筋肉美など、自分の体を磨くことで他人と差別化を図りたいというニーズも高いようです。

また、人を楽しませ、人と充実した時間を共有するためにお金を使う傾向もあります。物を買い集めるより、人が寄り集まるお金の使い方が価値を持っているのです」

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