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子どもたちが作詞&振り付けした「久世音頭」とは

城陽市の久世(くせ)には、小学校の児童らが考案したという「久世音頭」があります。今年1月、地域の祭りで披露されると聞き、小学校を訪れました。

大人も子どもも一つの輪になって

児童、先生と地域の人たちが、一つの大きな輪を描いて踊りました

晴天に響くのは和太鼓の音。1月19日、「城陽市立久世小学校」のグラウンドでは、毎年恒例の「左義長まつり」が始まっていました。同校の児童のほか、たくさんの地域の人たちの姿も。

ここで披露されたのが「久世音頭」。ぐるりと円を描いた子どもたちは、曲が流れると元気よく踊り始めました。「みなさんぜひご一緒に!」という先生たちの呼びかけで、少しずつ大人たちも輪に参加します。子どもたちの振りをまねながら踊るうち、だんだん動きもスムーズに。

久世音頭を初めて知ったという男性は、「楽しかったし、わかりやすかったですね。何度か踊れば覚えられそう」。小学生が歌詞や振り付けを考えたんですよ、と記者が言うと、「すごいですね!確かに、子どもらしいかわいい振りもありました」と連れの女性もにっこり。

率先して踊っていた6年生で児童会本部の藤田さんは、「こうして地域の人と関わりが持てるのはうれしいです」と話してくれました。

子どもたちの思いが歌詞の一語一語に

左は「久世音頭」の歌詞(1番。3番まであり)。作曲したのは現在音大に通う同校卒業生だそう。校長の佐々木さん(写真右)は、「歌詞も曲も覚えやすくていいね、とみなさんに言ってもらえています」

2018年に久世小学校が創立50周年を迎えたことを記念して、昨秋作られたという「久世音頭」。これまで地域の敬老会などで児童が踊ったことがあるそうですが、大々的に披露されるのは今回が初めて。

「これは、地域のみなさんへ感謝を伝える〝アンサーソング〟なんですよ」。そう教えてくれたのは、久世小学校校長の佐々木一雄さん。

創立50周年の節目に当たり、児童らと学校の歴史を振り返る時間を設けたという佐々木さん。公募で作られた校歌には、「ふるさと久世で子どもたちが健やかに育ってほしい」という地域の人たちの思いが込められていることに改めて気づいたそう。それに対して、子どもたちが何らかの形で応えるものを作りたい、と考えて生まれたのが久世音頭でした。

歌詞は、一昨年の6年生が書いた「自分たちの思いや伝えたいこと」をもとに佐々木さんが編集。「1番は万葉の昔から続く久世のすばらしさ、2番はそんな地で見守られながら育つ子どもたちのこと、3番はそれが未来へと続いていくようにという願いを歌っています」

振り付けも当時の5、6年生の有志が考案。「高齢の方でも踊りやすいよう、簡単な振りになっています。中には手話の動きも」と佐々木さん。

「〝久世が一つになる校歌”のような役割を果たしてくれれば。これからもいろんな場所で踊られ、受け継がれていくことを期待しています」

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