しっかり管理された家計です。「何となく暮らせている」とおっしゃっていますが、苦労も数多くあったと思います。
来年、教育費を払い終えると貯蓄は400万円に。これを、住居・老後の費用に充てることになりますが、あまり余裕はないので優先順位を決めておくとよいでしょう。
勤め先は、希望すれば70歳まで働けそう。年収は下がっても、〝生涯賃金〟を増やすことには大きく役立ちます。収入があれば、公的年金の繰り下げ受給を活用して年金額の増額を図ることも可能なので、最大限に生かしたいですね。
そのような状況の中での住宅購入に、無理は禁物。物件価格以外に、中古マンションなら8%程度が必要とされる諸経費、保有期間の固定資産税、マンションの管理費。一戸建て住宅も、築年数が古くなると修繕費用が高くなります。また、ローン利用時の金利などを含めた金額の準備が必要です。住宅ローンの契約において、年齢や収入面から大きな金額の借り入れは難しいことも。となると、資金の大部分を現金で用意することになり、希望通りにはいかない可能性もでてきます。
もちろん、老後の生活費において住居費の大部分がなくなることはメリットです。実現するためには、まず、ボーナスのほぼ全額と月々4万円の積み立てを。仮に、2年後に中古の物件を購入するとして、現在の家賃分をローンの支払いに充てて5年で返済する場合の借り入れ元本420万円に、現在の貯蓄から300万円と今後の積立予定額を合わせると、850万円程度の物件が購入できる予定となります。
この価格帯で、納得できる物件があるのかどうか。老後の生活をイメージしながら考えてみてください。
来年度で子どもが卒業。先々、一人になったときに備えて中古物件の購入を思案中。マンションか一戸建て住宅か。アドバイスを。
母53歳(会社員) 子19歳(学生)
【回答者】
ファイナンシャルプランナー
山副 耕一
ファイナンシャルプランナー
山副 耕一
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