棚から気になる本を取り出してパラパラパラ…。こうして一冊ずつ手に取り、本を選ぶのは特別な時間。その書店にプラスアルファの特徴があると、本選びがさらに楽しくなりそうですね。読書の秋、今年誕生した個性派書店に出かけませんか。
3月29日オープン
新刊と古書が入り交じる空間。「両方好きなので、分ける必要もないと思って並べています」(鳥居さん)
現地で仕入れる沖縄の方言や祭り、料理に関わる本も
西陣の住宅街に立つ「開風社 待賢ブックセンター」。新刊・古書ともに扱うお店で、店主の鳥居貴彦さんにとって縁が深い沖縄に関する本も多数そろえています。また、子どもが多い場所柄とのことで絵本に力を入れていたり、「水木しげるの作品が好きな子のために本をそろえていくうち、コーナーができてしまいました」(鳥居さん)ということも。近くにライブハウスがあることから、音楽関連の雑誌も人気があるのだとか。地域に根付いた一軒なのですね。
3月30日オープン
こちらで選んだ本は、敷地内にあるカフェで試し読みをすることも可能 ※カフェ代は別途必要
女性に人気の食関連の本を並べたコーナー
東寺の南側に位置する「つるかめ書房」は、築100年ほどの元商家を使った複合施設「間-MA-」の中の一軒。大宮通に面した入り口から廊下を進んで庭に出ると、目の前に立派な建物が。ここが〝書庫〟と呼ばれる同店です。
古書店ではありますが、「古さにはこだわっていません。新しいものでも、あればうれしいもの、長く読んでもらえるものを置いています」と店主の小林誠二さん。1階には国内外の文学や趣味の本が、2階にはSFやミステリーが並んでいます。
5月19日リニューアルオープン
京都府から委託された「堀川アート&クラフトセンター(仮称)」のプレ事業として展開中。2020年3月後半までの期間限定事業です
店内奥には活版印刷機などが置かれた印刷所のスペースが。9月27日(金)には、堀川まつりの一環で活版印刷体験ができるワークショップを開催
大垣書店と印刷会社「修美社」が運営する「堀川AC Lab」。印刷所が併設され、「個人で本や名刺、ノートなどを作れます」とは修美社の山下昌毅(まさき)さん。書店コーナーに並ぶのは新刊やロングセラー、話題書。この品ぞろえにした理由は、一般の人に気軽に足を運んでもらうため。大垣書店の大垣守可(もりよし)さんは、「ペーパーレスが推奨される時代ですが、生活を豊かにする印刷物はあるはず。多くの人に〝紙〟と〝印刷〟に興味を持ってもらう機会をつくりたいんです」と話します。この店を通して、本を含めた〝紙〟好きを増やしたいと願っているそう。
5月17日オープン
ベビーカーでも移動しやすいよう、通路は広め。子どものための雑貨やおもちゃも並びます
子どものコーナー。階段状の本棚に座って本を読むことができるんですよ
「ハミングバード・ブックシェルフ 四条烏丸店」で目を引くのが、2カ所に設置された大きな本棚。一方は0~15歳の子ども向けのコーナー。もう一方は親を対象にした棚で、育児、子離れといったステップごとに本が選ばれています。「本を読む子どもに育てるには、親が読書をする姿を見せることが大切」(店主・柴田一哉さん)との思いで、親子をテーマにした店づくりをしているそう。同店のもう一つの顔は、本棚のショップということ。本を読む環境を整えるための棚にも注目してみては。