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天王山ハイキングコースが全面開通しました!

昨年9月の台風21号による被害で、大山崎町にある「天王山ハイキングコース」は通行禁止に。しかし、3月28日には全コース通行可能になったと聞いて、記者も早速、登ってみました。復旧には地元ボランティアたちによる協力があったようです。

整備された山道。コース上のかかり木や丸木などには十分注意して

午後2時、阪急「大山崎」駅から意気揚々とスタート。JRの線路を越えると、「天王山登り口」の道しるべを見つけました。急な坂道を登り、宝積寺へ。今回は、こちらから山頂を目指します。

登山道は同寺の本堂右手から。コース周辺の各所では、台風の爪痕を確認することができます。大木が折れてしまっていたり根から抜けていたりと、その被害の大きさを物語っています。実は、小学生のとき、学校行事などで天王山を登ったことがある記者。想像以上に痛々しい山の姿に、驚きをかくせません。

大きな石が積み重なった道や階段状の少し険しい道を登り、「青木葉谷展望広場」で休憩。桂川、宇治川、木津川の雄大な三川合流部を眺められますよ。

  • 天下取りの物語を解説した「秀吉の道」陶板絵図(復旧後)

  • 暴風になぎ倒された木々が陶板絵図を覆う(復旧前)

道中では、歴史ロマンも楽しめます

酒解神社の近くで倒木の整備をする地元のボランティア

8合目までくると展望台があり、眼下には三川、大阪平野、京都盆地が広がります。この地一帯は、1582年の「山崎合戦」の戦場。展望台近くには、明智光秀より先に天王山を制した羽柴(豊臣)秀吉が、味方を鼓舞するために自身の旗印を掲げたといわれる「旗立松」が植えられています。現在は7代目。青々とした松は、たくましく天に伸び、台風にも負けなかったようです。

台風の被害直後は、展望台付近でも多くの木々や竹が、山道をふさぐように倒れていたそう。それらの整備を、昨年10月から今年3月までに、大山崎町と多くの地元ボランティアや周辺企業、近隣住民たちが協力して少しずつ進めてきました。「地元の方の支援や協力によって、復旧作業を迅速に進めることができました」と同町の担当者。復旧したコース脇には、整備後の倒木の枝や丸木がまとめて置かれています。

さらに進むと、1864年、禁門の変で戦いに敗れ自害した「十七烈士の墓」や、貴重な文化財の本殿や神輿(みこし)庫がある「酒解神社」が。これらも大きな被害を受けましたが、現在は近くから見学できます。

ここまで来ると、山頂まで残りわずか。木々が生い茂った道は細く、頭上には、かかり木もあるので気を付けて。すれ違うハイカーとあいさつを交わしながら、ついに天王山山頂に到着! 阪急「大山崎」駅から山頂へは、約1時間でした。

ほかにも、桜の名所である山崎聖天や小倉神社を出発地点としたルートがあり、現在はどこからでも通行可能です。

町のシンボルでもあり、老若男女、さまざまなハイカーや地元の人から親しまれてきた天王山。本来の姿を取り戻そうと願う多くの人の協力によって、登れるようになったのですね。

ハイキングコースの問い合わせは、大山崎町政策総務課企画観光係=TEL:075(956)2101

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