その昔、お寺は地域の人たちの情報交換や新たな出会いの場でもありました。長岡京市の西光寺では、さまざまなイベントを開催。そうした交流の機会を復活させようとする取り組みが行われています。
2018年12月の第4金曜日、長岡京市の西光寺の本堂では月に一度の「金曜みんなの会」が開かれていました。これは地元の長岡第八小学校の児童や長岡京市社会福祉協議会、西光寺住職などでつくる団体「おテラ、ミライのカタチ。」の活動の一つ。世代間交流を目的として企画されたもので、チラシやポスターなどで「大人も子どもも夕方の時間をお寺で過ごしませんか?」と、広く参加を呼びかけています。内容は写経体験やゲームなど、その都度、同団体の実行委員である小学6年生の3人が中心となり決定するそう。今回が2回目の開催です。
「おテラ、ミライのカタチ。」実行委員の3人。(左から)会計の伊藤れあさん、会長の中西さん、副会長の曽我眞子さん
会場の西光寺。入り口横の掲示板には、メンバーが手書きで作った「金曜みんなの会」のポスターが
この日、集まったのは高齢者から子どもまで15人ほど。まず「長岡京音頭保存会」メンバーの参加者から長岡京音頭を習います。「ゆっくりとした踊りって、かえって難しい」と、初チャレンジの小学生たちは苦戦。けれど30分ほどすると、手ぶりや脚の運びもさまになり、「やっぱり子どもさんは覚えるのが早いなぁ」と大人から感心する声が上がりました。参加者が打ち解けてきたところで、休憩タイム。一つのテーブルを囲んでおやつを食べます。「おばあちゃんは昔、どんなお仕事をしてはったんですか?」との問いかけに、「私はね…」と口々に話し始めます。おしゃべりに花が咲いていましたよ。その後は、認知症予防にもなると人気の「ウエルネスダーツ」、都道府県の特徴を遊びながら覚えられる「県名カルタ」なども楽しみました。
「長岡京音頭が楽しかったので、今度は簡単なダンスをみんなでやってみたらいいかも」と、実行委員の曽我さん。どんどんと、アイデアがふくらみます
体力を問わないので、「ウエルネスダーツ」は子どもも大人も互角に楽しめます
かるた取りでは、応援している人たちも「ほら、そこ!」と、つい本気に
「おテラ、ミライのカタチ。」がスタートしたのは2017年の6月。お寺が、昔のように誰でもふらっと気軽に立ち寄れる場になればと考える住職と、地域の交流や活性化を目指す人たちの思いがつながったことで始まりました。団体を結成するにあたって、西光寺で行われた餅つきに参加していた子どもたちが実行委員を務めることに。会長・副会長・会計は年度ごとの交代制で、子どもたちが企画やルールを決めています。「西光寺近辺には自治会のない地域もあります。こうした取り組みの積み重ねで、人が集まり〝顔の見える関係性〟が構築できれば」とは、長岡京市社会福祉協議会の吉岡祐一さん。
お寺に足を運んでもらうきっかけとして、「金曜みんなの会」のほかに「ラジオ体操」「写経会」も行われています。「すいてんクラブ」という子どもの居場所づくりも。
現在小学6年生で会長を務める中西結愛(ゆい)さんは、「1回目の『金曜みんなの会』は集まった人が少なく、ゲームなどをするだけになってしまいました。その後の話し合いでプログラムをしっかり決めたので、今回は初めて参加する5年生も楽しんでくれたみたいで、大成功です」と話します。今後は季節の行事なども取り入れて、さらに多くの人が楽しめるように工夫したいとか。次回の開催は表参照。
※申し込み不要
日時 | 2月22日(金) 午後4時~6時ごろ |
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会場 | 西光寺(長岡京市久貝3-4-10) |
参加費 | 無料。誰でも参加可能です |
問い合わせ | 長岡京市社会福祉協議会(担当/吉岡さん)=TEL:075(963)5508 |