醍醐を舞台にした約15分の短編映画「醍醐でムービー~HEROES BLEND~」。地域おこしに取り組む市民グループ「伏見情報局」のメンバーを中心に、約20人の地域住民が製作しました。10月には初披露となる上映会を開催。今後も各所で予定されています。
初めての上映会の会場は、伏見情報局のメンバーの1人・広田一雄さんが営むコーヒー店「HEROES COFFEE」。映画のロケ地にもなった場所です。
製作者と観客が見つめるスクリーンに映し出されたのは、醍醐山の西側に位置する栢ノ杜(かやのもり)遺跡の頂上付近からの眺望。「今日も醍醐は平和だ」とのナレーションから、物語が始まりました。
出演者は本名がそのまま役名に。主人公を演じるのは伏見情報局のメンバー・舩津雄貴さん。たまたま立ち寄ったコーヒー店「HEROES COFFEE」で、さまざまな年代の6人の男女に出会います。
「この店に集まる人たちは、特殊な能力を持つヒーローです」と言われたものの、誰からも〝ヒーロー〟らしさは感じられず、戸惑う舩津さん。ところが、ある小さな事件をきっかけに〝ヒーロー〟の本当の姿を知って―。
約15分の上映後はトークタイム。「長尾天満宮での階段を駆け上がるシーンは、何度も撮り直すことになって苦労しました」「怒る演技は難しかったですね」など、関係者から撮影時のエピソードが語られます。
「このコーヒー店にはよく来ていますが、私もヒーローになれるでしょうか(笑)」と話す観客も。〝ヒーロー〟というキーワードが、見る人の心もつかんだようです。
映画製作のきっかけは、広田さん、舩津さん、谷口英明さん、佳山光徳さんという、伏見情報局のメンバー4人の会話だったそう。
「1年前、『醍醐の魅力を広くアピールするため、地元を舞台にした映画を作ったら面白いのでは』と盛り上がったんです」(谷口さん)
そのアイデアに協力したのが、京都市醍醐いきいき市民活動センターでボランティア活動に携わった経験がある、立命館大学映像学部の渡邉樹(たつき)さん。同センターもサポートをすることになり、映画製作が決定しました。
監督は映像作家でもある渡邉さんが担当。公募して集まった19の原案の中から選ばれたのが、今回の〝ヒーロー〟です。
「実は、私の考えた案なんです」と舩津さん。主演に抜てきされたのも、そんな経緯があったからなのだとか。
撮影は5月中旬から2カ月間。栢ノ杜遺跡、長尾天満宮など、地域の10カ所でロケが実施されました。
渡邉さんは「出演者の人柄を踏まえてせりふや演出を考えました。作品の中のヒーローたちが、本当に醍醐にいるというのがポイントです」。伏見情報局のメンバーも、「住民以外の人にも、醍醐にはこんなすてきな場所があるのだと知ってもらえたらうれしい」と話します。
今後の上映会については表参照。
〈問い合わせ〉京都市醍醐いきいき市民活動センター=TEL:075(571)0035