1面では双方の気持ちを紹介。続いて、専門家からそれぞれのタイプについて教えてもらいます。読者のエピソードもチェックして。
日本コーチ協会
京都チャプター 代表
高橋美佐さん
一言で〝計画をする人〟〝計画をしない人〟といっても、そのタイプはさまざま。どんな人がいるのかが分かれば、お互いへの理解もより深まりそうです。
話を聞いたのは、「日本コーチ協会 京都チャプター」代表の高橋美佐さん。まずは計画をする人のタイプについて解説してくれました。
「着実に計画・実行する人、自分に多くを望んで計画する人、計画で体験を先取りする人などがいます」と高橋さん。計画をスムーズに実行する人は、自分のペースに沿ってプランを立てた上で、継続的に進めているのだとか。
「自分に多くを望む人は、より良い結果やより良いものが得られるならと、無理をする傾向があります。理想を目指すので予定通りにいかないと苦しみますが、最後には間に合わせるパワーの持ち主も多数います」
計画で体験を先取りする人にとっては、〝プランを立てること〟自体が疑似体験になっているそう。「計画を立てると同時に、実際に実行している気分を味わっている人です。計画を変更OKと捉えていることも多いですね」
スケジュールをやたらと細かく決める同僚。イレギュラーな業務に対応できず、私が手伝うことになりました(MY・31歳)
資格の勉強で実現不可能な計画を立ててしまい、試験前に焦りました。追い詰められて必死になったせいか、何とか合格できた(OM・38歳)
「予定外の出来事を嫌う計画派には共感しづらいかもしれませんが、計画を立てない人は変化を好む傾向があります」と高橋さん。
「そのときどきの状況を楽しむ気持ちが、やる気のアップにつながっているようです。仕事も気持ち重視で進めた方がはかどる人も。こうした人に計画を押し付けてしまうと、ストレスを感じて効率が下がる可能性があります」
ノープランの人の中には、結果的に〝やらない〟選択をする人もいます。「やる気重視で気乗りしないことを後回しにし、最終的にやらないことも。この場合、本当にやるべきことは何かを問い直すといいですね。計画せずにうまくいく人は、状況に応じて優先順位を見極めています。計画に縛られないメリットを生かしているかどうかで、タイプが変わってきます」
計画を立てない友人と外出したときのこと。私が事前に調べて目的地に向かったのに、偶然そこへ行き着いたと思われていて驚いた(SS・60歳)
結婚して夫とともに新居へ引っ越しをする日。夫は全く荷物がまとめきれておらず、大急ぎで準備しました。引っ越す日は1カ月以上前に決まっていたのに…。あきれました(YR・35歳)
夏休みの宿題の計画を立てない子どもに、つい私のペースでプランを立てるよう勧めてしまい、怒らせてしまった(YY・49歳)
自分が計画をするからといって、同じことを無理に相手に求めないように注意を。プランを立てるのが窮屈だと考える人もいます。
計画を知らせることは、相手に「自分をコントロールしようとしている」と感じ取られる場合も。「プランを立てないと不安だから」など、計画を立てる理由を話すと、誤解も生まれません。
もし計画を一緒に進めてほしいなら、「ここだけは共有したい」と思う予定を知らせてみて。先々のスケジュールを細かく伝えるよりも、相手に与えるストレスが減ると思います。
無計画な行動にイライラするときは、「想定外の出来事があったら相手を頼ろう」と気持ちを切り替えるといいでしょう。
「安心感が得られる」「時間のメリハリがつく」など、プランを立てることのメリットに目を向けてみては。計画をする理由が分かれば、相手の気持ちを思いやることができます。
無計画な行動は、周りを不安にさせる場合もあると理解を。仕事では、相手に進捗(しんちょく)状況を伝えるといった配慮も大切です。
こちらの都合で相手のプランを変更すると、「自分を軽視している」と思われてしまうケースがあります。プランを変更したいときは、事前に相手の許可をとるなどするといいですね。
計画する人と一緒に行動する場合は、相手にプランを立ててもらうのも一つの手。「ここだけは」という希望があるなら事前に伝えておくのがおすすめです。