地元をもっと盛り上げたい! そんな気持ちで活動をしている人たちがいます。かつての名産に着目したり、今ある資源を活用したり。独自の魅力を発信する取り組みで、地域がさらに元気になっています。
「昔から、この辺りに住むおばあちゃんたちは土手のヨモギを摘んで、おいしい団子を作っていました。地元で長年、親しまれてきたヨモギを畑で育て、利用し、地域の活性化に役立ててはと考えたんです」とは、西京区で活動する「大原野よもぎ倶楽部」の会長・久井二三重(ふみえ)さん。
同会は、大原野を盛り上げるために地域ブランドを作ろうと集まったメンバーが今年2月に設立。畑でヨモギを作った経験がなかったため、栽培方法のリサーチ、植え付け体験と、設立までの準備期間に6年を費やしたそう。
約3年前から、大原野神社近くの休耕田を利用した畑でヨモギを栽培。3月~5月の繁忙期には週に2回、葉の摘み取りや雑草引きをしていたのだとか。
「3畝(うね)あり、作業は主に約20人の会員が交代で当たっています。ボランティアですが、『ヨモギに触れているだけでも癒やされる』と、遠くは大阪などから参加する人も。自然豊かな大原野に足を運んでもらうきっかけにもなっています」と同会メンバー・金清(かねきよ)雅美さん。
現在は、同会で育てているヨモギをブランド化。「京よもぎ大原野」と名付け、認知度アップに取り組んでいます。
その一環として、スイーツやパン、アロマオイル、入浴剤などを試作。本格的な商品化を目指しているほか、親子でのヨモギ摘み体験や団子づくりのワークショップなども企画しています。ヨモギを作る人、使う人を1人でも増やして、大原野を盛り上げていきたいといいます。