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「壱穂(かずほ)の部屋」で生まれる、地域の絆

誰でも立ち寄れ、集まった人との交流が楽しめる〝憩いの場〟。京都市醍醐いきいき市民活動センターの「高齢者ふれあいサロン」で、2月から「壱穂の部屋」が開かれています。絵や楽器など、さまざまな趣味を持つ〝かずほさん〟が、来訪者を待っていますよ。

壱穂(かずほ)の部屋/田中一穂さん

「人の絆と笑いがあれば、幸福度は上がると思います。ここがそんな場所になれば」と話す田中一穂さん。手前の絵は、金箔加工に携わる参加者が手がけた作品

壱穂(かずほ)の部屋/以前の開催時の様子

以前の開催時の様子。「このギター演奏はとてもいいから、皆さんにも聞いてほしい」と、参加者がカセットテープを持参しました

同センターの建物の隣にある「高齢者ふれあいサロン」。和室で出迎えてくれたのは、醍醐在住の田中一穂(かずほ)さん。そう、「壱穂の部屋」は田中さんの名前から命名されているのです。

机の上には、本や水彩画、横笛、尺八など、田中さんが「話のネタになれば」と持参した私物がいっぱい。「多趣味なんですね」と記者が言うと、「楽しいことをするのが好きなんや」と笑います。

誰でも自由に立ち寄れる「壱穂の部屋」は毎週木曜日にオープン。午後1時~3時に田中さんが常駐し、集まった人と交流をしています。

取材日は天候が悪かったせいもあり参加者はいませんでしたが、これまでの開催では近所に住む人たちが訪れていたとか。

「特にプログラムが決まっているわけではないので、集まったメンバーがそれぞれの趣味を教え合いました」と田中さん。

参加者おすすめのカセットテープを流したり、千代紙や金箔(きんぱく)を取り入れながら色紙に絵を描いたり。過ごし方はその時々で違うそう。
「やってみたいことがあれば、ぜひ教えてもらえたら。皆さんと一緒だと盛り上がり、あっという間に時間が過ぎていきます」

〝話し上手〟を生かした場に

壱穂(かずほ)の部屋/田中さんが作成しているチラシ

「壱穂の部屋」をPRするため、田中さんが作成しているチラシ。直筆のイラスト入りです

現在、76歳の田中さん。以前から「男性が地域の人と気軽につながりを持てたら」と考えていたといいます。
「60歳のころからボランティア活動を通して地域と関わってきましたが、昔は仕事中心の生活。地元のことをあまり知らず、人間関係も築けていませんでした。かつての私のような人でも、気軽に集まれる場があればと思っていたんです」

そんな田中さんを後押ししたのが、同センターのセンター長・内野道代さんや職員の鈴木真貴さん。
「田中さんの話し上手で遊び上手な人柄を埋もれさせておくのはもったいない」と、より幅広く、男性に限らず誰でも集えるような場を開くことを提案しました。

今後の活動についても構想中。
「読書会を開くのもいいかな。ハーモニカを吹きたいと言っている人もいます。参加者といろいろアイデアを出し合っていき、たくさんの人が訪れる場所になればうれしいです」

次回の「壱穂の部屋」

※申し込み・参加費不要

  • 日時

    4月5日(木)午後1時~3時 ※出入り自由

  • 会場・問い合わせ先

    京都市醍醐いきいき市民活動センター 高齢者ふれあいサロン(伏見区醍醐外山街道町21-21、地下鉄「石田」駅から徒歩15分 ※同センター隣)=TEL:075(571)0035

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