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自宅の一部を、高齢者が集える居場所に

「地域に住む高齢者が気軽に立ち寄れる居場所を」。そんな思いから、右京区嵐山で誕生した「コミュニティサロンいきいき」。週3日開放され、交流を楽しむ場となっています。

常連という5人が和やかに談笑。「サロンに来て、居合わせた人と会話するのが日々の楽しみになっています」と話す人も

看板は、きり箱職人であるサロン参加者から贈られたものだそう

「コミュニティサロンいきいき」があるのは、嵐電「鹿王院」駅の近く。

住宅地の一角に立つサロンの中では、コーヒーや紅茶を飲みながら5人がだんらんしていました。部屋に飾られた絵を見て、「これは誰が描いた絵でしょうね」「岸田劉生(りゅうせい)の作品じゃないかな」と会話が弾んでいます。

毎週木・金・土の午前10時~午後4時にオープンしているこちらは、昨年9月に松井徳子(のりこ)さんが開設。主に高齢者が対象ですが、誰でもウエルカムとのこと。参加者は飲み物(250円)を頼むスタイルで、出入りは自由です。

友人の小倉久美子さんと参加していたのは、近所に住む石塚満壽美さん。

「金曜日の朝に、嵐山周辺を散策してからここに立ち寄るのがお決まりのコースなんです。サロンに来ると、地域のいろいろな情報もキャッチできます」

嵐山に住んで50年以上という安田悦子さんは、「愛着のある地元で人生を全うしたいという思いがあるので、身近にこうした居場所ができてうれしいです」と話します。

ヘルパーの仕事がサロン開設のきっかけ

「子ども連れの若い世代が来てくれることもあるんです。夫のサポートにも感謝しています」と松井徳子さん(右)。隣は夫の久隆さん

現在57歳の松井さんは長年ヘルパーとして働いてきたそう。今年からはケアマネジャーの仕事をしています。

「ヘルパーの仕事をする中で、地域の高齢者が気軽に集まれる場をつくりたいと考えるように。そこで昨年の春、家族に相談をしてみたんです。夫も義母も賛成してくれ、自宅の一部を改装してサロンにすることにしました」

そして、昨年の9月9日に「コミュニティサロンいきいき」が誕生。

「狭いスペースなので、〝窮々(きゅうきゅう)〟とかけて、9月9日をオープン日と決めたんです(笑)。当初は数年後に開設できればと考えていたのですが、周囲の後押しもあり、スムーズに計画が進みました」

月1回程度の頻度で、ミニコンサートや「唱歌の集い」といったイベントも開催。

「2月の『やわらか和菓子の会』では、和菓子の試食会やマジックショーなどを行いました。15人も集まって驚きましたね。皆さんと一緒ににぎやかな時間を過ごすことができました」

次回のイベントではバザーを実施。4月28日(土)の午前10時~午後2時。今後のイベント予定はホームページ(http://salonikiiki.html.xdomain.jp/)でも紹介。問い合わせは同サロン(右京区嵯峨折戸町24―19)=TEL:075(862)0603=へ。

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