芸術、生活習慣など、さまざまなジャンルを含む〝文化〟。近頃は、文化庁の移転も話題になっていますね。そこで今回は、「あなたの考える〝京都の文化〟とは?」と読者に質問。集まった意見について、その分野に詳しい皆さんに話を聞きました。数々の文化が根付く、京都の姿が見えてきましたよ。
京町家が残っていること。 趣ある町並みは京都ならではです(ふく・61歳)
梶山真樹さん
京都らしい町並みと聞いて思い浮かぶのが、京町家が立ち並ぶ様子。
京都市景観・まちづくりセンターの梶山真樹さんによると「京都は戦災を免れたため、町家が多く残っています。自治会の結びつきが強く、地域ごとの景観保全の活動が盛んなことも理由として挙げられますね」とのこと。ですが、相続の際に壊してしまったり、空き家になっているケースもあります。
「当センターでは、町家の所有者に向けた相談事業や、所有者と町家での居住・事業を考える人をマッチングさせる取り組みを展開。京町家を次世代に引き継ぐことが目的です。京都市では昨年、京町家の保全や継承に関わる条例も制定。地域全体で町家を守っていけたらと考えています」
京料理です。京野菜を取り入れたりした、 季節に合った料理を楽しめることが 文化だと思います(りのあやママ・56歳)
宗田好史さん
京料理について話を聞いたのは、京都府立大学京都和食文化研究センター・センター長の宗田好史さん。「料理人が独自に趣向を凝らした料理が生み出されています」と話します。
「精進料理、懐石料理などが融合し、進化してきた京料理は伝統料理とも、郷土料理とも違います。伝統を踏まえながらも、料理のバリエーションがどんどん広がっていますね」
地元の人と観光客、どちらにも愛されていることが、京料理の盛り上がりにつながっているそう。
「高級店からカジュアルな店まで、京都には京料理を味わえる店がたくさんあります。それぞれ異なる京料理を楽しんでみてください」