宇治市黄檗にある三番割集会所。この入り口に、月1回、「おうばく塾」の案内板がかけられます。小中学生の放課後の居場所、そして地域住民の交流の場としてオープンしていますよ。
「こんにちは」と集会所に現れたのは、近所に住む小学1年生の女の子と男の子。「こんにちは。どうぞ、入って」と、「おうばく塾」主宰のつぼねよりこさん、そしてスタッフ3人が笑顔で迎えます。
続いて小学6年生の女の子2人も来訪。スタッフが見守る中、子どもたちは持参した宿題を広げます。
「おうばく塾」は、京都府と宇治市連合母子会が協賛し、昨年7月から月1回オープン。「こどもの居場所」のほか、不定期で「おとなの居場所」(会費制)も開いています。
宿題が終わると、部屋にあるピアノを見て「弾いていい?」と小学1年生の女の子。音楽の授業で使っているという鍵盤ハーモニカの楽譜を用意していました。「僕も弾きたい!」と男の子も駆け寄ります。
「何の曲を弾く?」と尋ねるつぼねさんは、長年ピアノの講師を務め、音楽療法士としても活躍。宇治市生涯学習人材バンクの登録講師でもあるそう。「そこで、親指を〝ファ〟の鍵盤に持ってきて…」と、優しく声をかけます。
その後も、子どもたちは学校で習ったダンスをスタッフに見せたりと、にぎやかな放課後を過ごしていましたよ。
「学校区などの線引きはせず、国や年齢を超えて子どもたちが充実した時間を送れるような場所を目指しています」とつぼねさん。
スタッフの中には、英語や和の文化に精通する人も。工作、フラワーアレンジメントなどの得意分野を教えてくれる人もいるといいます。
「中高生の学生サポーター3人も手伝ってくれています。宇治市で生まれ育ち、これまでに地域の人など、たくさんの人に助けてもらいました。こどもの居場所づくりについて宇治市連合母子会から話を聞いたとき、音楽を生かして宇治市に恩返しがしたいと思ったんです」(つぼねさん)
取材日には「こどもの居場所」の時間の前に特別版となる無料の「おとなの居場所」も実施。昭和の歌謡曲を歌いながら、参加者同士で和やかに交流していました。
「『こどもの居場所』の開催に伴い、『おとなの居場所』もつくることに。通常は〝歌広場〟と題して幅広いジャンルの曲を歌う会を開いているんです。音楽は多くの人の心の支えになると思い、みんなで歌を楽しんでいます」
次回の「おうばく塾」は2月28日(水)に開催。「おとなの居場所 歌広場」は午前10時45分〜、会費1000円(ランチ付き)。要申し込み。「こどもの居場所」は小学生の部が午後3時30分~4時30分、中学生の部は午後4時30分~5時30分。参加無料、申し込み不要。出入り自由。
会場は三番割集会所(宇治市五ケ庄三番割37、JR「黄檗」駅から徒歩約5分)。申し込み・問い合わせはつぼねさん=Mail:oubakujuku@gmail.com=へ。