昨年6月にスタートした、65歳以上の人のための憩いの場「ここだけサロン」。阪急「大宮」駅の西側、壬生にある多目的スペース「ここだけ」で月1回開かれています。演奏会やワークショップなど、さまざまな企画も楽しめますよ。
10人ほどの参加者が集まった、12月の「ここだけサロン」。初めて知り合う人も多く、開始直後は静かな雰囲気でした。
「では、コースター作りを始めましょうか」と声を掛けたのは、主宰者の土谷(つちたに)直子さん。今回のプログラムは「金彩を使って干支(えと)のコースターづくり」。金箔(きんぱく)を使い、コースターに今年の干支・いぬの模様を付けていくのだといいます。
アイロンを貸し借りしたり、作り方を確認し合ううちに、参加者も打ち解けてきたよう。「これで合ってるのかな?」「そうそう。上手にできてる!」と会話が弾みます。
「今回が3回目の参加です」とは、近所に住む木下明子さん。「以前はクリスマスカードを作ったり、唱歌の合唱をしたりしました。皆さんとにぎやかに過ごせるのがうれしいです」
お茶とお菓子をいただいて一息入れた後は、後半の企画「古典尺八と津軽三味線のひととき」。尺八奏者・林晋水(しんすい)さんと、三味線奏者の林桂水(けいすい)さんが登場します。
2人は夫婦とのことで、演奏の息もぴったり。尺八の静かな音色、津軽三味線の迫力ある響きに、参加者たちも聞き入っていました。
「かねてから、地域の方々が集える空間が必要だと思っていたんです」と土谷さん。
土谷さんの母が所有していた家を改装し、多目的スペース「ここだけ」をオープンさせたのが2016年4月のこと。友人たちと「壬生『ここだけ』元気クラブ」を立ち上げ、高齢者や障がい者、子育て世代などを対象にしたイベントを開催してきました。
「その一環として始めたのが『ここだけサロン』。高齢者が気軽に立ち寄り、交流を深められるような居場所を目指しています」
舞踏家の土谷さんは、介護予防指導員とヘルパーの資格も持っているそう。サロンの開催には、その人脈や経験が生かされていると話します。
「知り合いにサロンを手伝ってもらうときもありますね。サロンを始めたのには、ヘルパーをしていたときの経験も関わっています。1人暮らしで寂しさを抱えている人と接し、そんな方が出かけたくなる場があればと考えるようになったんです。これからも、魅力的な企画を実施していきたいです」
「ここだけサロン」は要申し込み、参加費は200円。今後の開催予定は「壬生『ここだけ』元気クラブ」のホームページ(http://kokodake.daa.jp/index.html)で紹介。