今から150年前、1868年1月27日に開戦した「鳥羽伏見の戦い」。戊辰戦争、そして明治維新の発端になったといわれる出来事です。その歴史をもっと地元に広めたいと考えた伏見区の住民たちが活動中。節目の日に向けたイベントも行われますよ。
「鳥羽伏見の戦いは、明治維新のきっかけとなった史実。日本が近代国家に変貌を遂げる一大転機となりました」と話すのは、「鳥羽伏見の戦い150年プロジェクト会議」のメンバー・井口智史さん。大学院で観光学や地域学を研究しながら、地元伏見の活性化に取り組んでいます。
井口富夫さんもメンバーの一人。「城南宮近くの小枝橋付近では、旧幕府軍と薩長軍が衝突。薩摩・長州藩は御香宮神社を中心に伏見街道を封鎖しました。そうした歴史の舞台の地なのだということを、地域の人たちにもっと知ってもらえたらと考えたんです」と話します。
同プロジェクトが発足したのは2年前。寺社の関係者や写真家、絵師、歴史研究家など、約30人のメンバーが集まり、150年という区切りの年に向けて動き出しました。
「明治生まれの祖父母からは、鳥羽伏見の戦いのとき、今の京阪『伏見桃山』駅付近、京町の呉服店の人が、けが人を助けるためさらしを持って走ったらしいと聞いたことがあります」と、岡村和枝さん。伏見で生まれ育って70年になるといいます。このように、当時のことが地元民にも伝わっているのですね。
鳥羽伏見の戦いを広めるため、これまで地元への聞き取り調査や史跡巡りなどの活動を続けてきたという同プロジェクト。昨年3月の時代行列では、地域住民が幕末の歴史上の人物に変身。大手筋商店街や御香宮神社までの道を練り歩きました。
1月21日(日)までは、伏見区総合庁舎1階のロビーで展示を開催中です。
「伏見在住の漫画家・越智つねこさんが描いたオリジナル絵図を並べています。鳥羽伏見の戦いと伏見町衆の活躍を題材にしているんですよ」(井口智史さん)
1月21日には講演会と朗読会を実施。開戦の日にあたる1月27日(土)には、劇団「乙訓戦国つつじ」によって「鳥羽伏見の戦い歴史ショー」が披露されます。同劇団代表・大西恒さんは「鳥羽伏見の戦いを新撰組目線で描いています」。迫力あるステージが楽しめそうです。
新たなイベントについても構想中。これからメンバーで話し合っていくとのことです。