久御山町と東京大学。異色とも思えるこの組み合わせにより、町の新たな魅力を掘り起こすための取り組みが、今春行われました。その成果を9月の発表会で聞くことができますよ。
写真提供/東京大学工学系研究科 建築学専攻 川添研究室
町歩きなどにより久御山町の文化や歴史を学ぶグループ「久御山アカデミー」。今年、同町が一般公募でメンバーを募り、誕生しました。
久御山町産業課商工係の安岡あずささんは、「いずれはグループ内からボランティアガイドが誕生してほしいとの期待もあります。まずは年度内にパンフレットを作成するという目標を実現できたら」と話します。
そして、この活動の一環として、アカデミーのメンバーと学生が共同で学ぶ取り組みが実施されました。
この企画を提案したのは、東京大学准教授で建築家の川添善行さん。久御山町とは、山城地域が取り組む「お茶の京都」関連事業で、「黄金の茶室」の制作に携わっているというつながりがあります。
学生にとってはよい研究の場となるほか、「より活動に広がりを持たせることができないか思案していた」という安岡さんにとっても、願ってもない話だったといいます。
共同研究は、東京大学の学生による久御山町でのフィールドワークからスタート。
6人の学生が3チームに分かれて、「業」「家」「水」というテーマに沿って町歩きをしました。そして、持ち帰った結果をまとめてプレゼンテーションを実施。久御山アカデミーのメンバーと意見交換をしたのだそう。
発表内容について、「〝外〟から見た久御山町という視点が新鮮でした。建築を学んでいる学生ならではの切り口もユニークで」と安岡さん。
「例えば玉田神社。通常は歴史などを調べることが多いかと思いますが、今回は石の積み方に着目しています。文化財の担当課である久御山町の教育委員会に確認しても『これまでなかった見方。面白い』といわれたほどでした」
アカデミーのメンバーも、ユニークな発表に聞き入っていたそう。
「久御山を知らなかった若い人が町に興味を持ってくれることで、メンバーのモチベーションアップにもつながったように感じます」
この3月のプレゼンテーションと意見交換の内容を発表する会が、9月に開かれることになりました(詳細は表参照)。誰でも参加OKです。
「今回の発表を聞いて、ふだん見慣れた町並みでも、思わぬところに面白いテーマが隠れていることを、地域の人にも感じてもらえるのでは。より地元に愛着を持ってもらえるとうれしいです」
足を運べば、久御山の魅力を再発見できそうですね。
問い合わせは、久御山町産業課商工係=TEL:075(631)9964=へ。
第6回 久御山アカデミー
~東京大学フィールドサーベイ発表会~