朝に読書好きとの交流で刺激を受ければ、1日の過ごし方も変わってくるかも。西陣にある共有のビジネススペース「385PLACE(ミヤコプレイス)」で、7月から始まった「朝・読書会」。午前7時から集まり、おすすめの本を紹介し合っています。新たな本との出合いが楽しめそうです。
2回目の「朝・読書会」には、「385PLACE」を運営する「ツナグム」のタナカユウヤさんと川中一樹さんを含む、6人が集合。
「実は、朝起きるのは苦手なんです(笑)」とのタナカさんの言葉で、初対面同士も和やかな雰囲気に。円卓に座り、簡単な自己紹介とともに持参した本について順番に語ります。
まずは職場が近所で、出勤前に訪れたという女性。「北海道の東川町のまちづくりに関する本です」と言って、「東川スタイル」(産学社)を取り出します。
すかさず、インターネットで東川町へのアクセスを調べる参加者も。「夕張よりも北にあるんだ」「そう。行くのは時間がかかりますけど、〝写真の町〟として知られているところなんです」と話が発展していきます。
瀬尾まいこさんの小説「春、戻る」(集英社)を選んできたのは、専門学校に通う男性。
「結婚を目前に控えた主人公の女性の前に、年下なのに兄を名乗る人が現れるんです」とのあらすじに、「その〝お兄さん〟が誰なのか気になる!」と盛り上がりますが、「ネタバレは…やめておきますね。ぜひ読んでみてください」。
本のジャンルは何でもOK。「知っているはずの京都の町が新鮮に感じられます」と京都を特集した雑誌「POPEYE」(マガジンハウス)を紹介する参加者もいました。
全員の番が終わると、さらに内容を熱く語り合ったり、本を貸し借りしたり。交流も深まったようです。
「朝の時間を有効活用するため、本を読む習慣をつけようと思い立ちました」とタナカさん。せっかく読むなら、その時間を多くの人と共有したい。そう考え、川中さんと協力して「朝・読書会」を始めたといいます。
読書会では、付箋がびっしり貼られた「未来の年表」(講談社現代新書)を薦めていた川中さん。読書家かと思いきや「今年に入って読んだ、2冊目の本です」と笑います。「毎回さまざまな作品に出合えるので、読書の幅も広がっていきそうです」(川中さん)
現在は月1回の開催ですが、今後は回数を増やすことも視野に入れているとか。
「西陣は家が多い地域なので、近所の人が気軽に立ち寄れる場になればうれしいです。おすすめの理由を聞くと、皆さんの人生も見えてきます。本を通し、幅広い年代の人と有意義な朝を過ごせたらと思います」(タナカさん)
「朝・読書会」の開催情報は「385PLACE」のフェイスブック(https://www.facebook.com/miyakoplace/)でも紹介。
※申し込み不要、出入り自由