だしの香り、みその風味。ソウルフードの一つである〝みそ汁〟の良さを広め、〝みそ汁を作る母〟を増やしたいと、地域の主婦が京都市嵯峨野児童館で毎月、「みそ汁かふぇ」を開催しています。子育て中の親の交流の場にもなっていますよ。
記者が取材した7月下旬。12回目となる「みそ汁かふぇ」には7組の親子が参加していました。このイベントを開いているのは、2人の主婦。参加者は、みそ汁について勉強し、ランチにみそ汁を楽しみます。
まず行われたのは勉強会。主宰者の1人で、2児の母である木下由美子さんの「朝ごはん、何を食べていますか?」との問いかけに、「グラノーラです」と、照れながら答える人も。
「グラノーラもいいですね。でも、私はもっぱらみそ汁。簡単に作れてみそ汁の香りに心が落ち着きますし、大豆や具材で子どもに必要な栄養もしっかりととれるんですよ」
そうしているうちに、ふわりといい香りが。隣の厨房(ちゅうぼう)で、もう1人の主宰者・松尾ゆかりさんがみそ汁を作っていたのです。
「今日は、今が旬のナスたっぷりのみそ汁を用意しました。タマネギとエダマメとオクラ、油揚げと麩(ふ)を加え、隠し味に練りごまが入っています」と木下さん。
具だくさんのみそ汁ですね。それに練りごまを入れるなんて!
「みそ汁の魅力はここ。いろいろな食材と合わせられ、メインのおかずにもなるんですよ。好きな食材で試してみてください」
みそ汁と一緒にごはんが運ばれてきたら、ランチタイムの始まりです。
「子どもの食べっぷりがいつもと違う(笑)」と参加者から声も上がるほど、小さい子もみそ汁のおいしさに夢中になっていました。
参加者の様子をにこやかに見ていた木下さん。このカフェを始めた理由とは何だったのでしょうか。
「私はもともと、この児童館の利用者で、大変お世話になりました。子どもが大きくなった今、恩返しになる活動をと館長に相談していたんです」
育児中に学んだ食育でみそ汁の魅力にひかれていた木下さんは、テーマを〝みそ汁〟に決定。児童館で知り合った松尾さんに声を掛け、企画を始めました。
「子どものころ、みそ汁は当たり前に食卓に出てきました。皆さんにもみそ汁でホッとする経験をしてもらいたい。そして、家でも作ってほしい。子どもたちに、昔ながらの食事の良さを伝えていきたいです」と話す木下さん。
松尾さんは、「私も子育て真っ最中の人に何かできればと思い、この活動に関わっています。開催していくうちに、みそ汁の栄養のことや、食材の組み合わせ方などを改めて学ぶこともできました」。
次回の開催は8月31日(木)。詳細は下表を参照。
次回の「みそ汁かふぇ」