「地域の人の憩いの場所をつくりたい」。そんな思いから、2年前に始まった「おてらカフェin金剛寺」。近隣住民の参加も増えてきた中、6月に新たな動きがありました。午前10時からは、高齢者が集まりやすいようにと工夫された〝第2部〟が設けられていますよ。
地下鉄「東山」駅から三条通を東へ。数分歩いた先にあるのが金剛寺です。
こちらで毎月第3水曜日に開催されている「おてらカフェin金剛寺」。コーヒーを飲みながら参加者同士で交流しようという企画です。500円で、誰でも来場OK。「おてらカフェin金剛寺実行委員会」のメンバーの宇野貴佳(たかよし)さんは、「参加者による楽器の演奏会なども開いてきました」と言います。
その「おてらカフェ」で、6月から新しい取り組みがスタート。午前7時に開始し、午前10時で終了していたところを正午まで延長。午前10時以降は第2部とし、高齢者向けの〝地域の居場所〟として無料開放することになったのです。
対象は高齢者ですが、年齢制限はないそう。取材日には70代の近隣住民を中心に、メンバーを含む8人が集合していました。
「この辺りには親子サークルが少ない気がします」「子連れの人が来てくれたらさらに盛り上がるかも」と、おてらカフェの今後が話題に上ります。
「朝に妻と散歩をしていて、おてらカフェの看板を見つけたんです」という人も。「最近引っ越しをしてきたので、たくさんの人と知り合えてうれしいです」と話していました。こうして新たな縁が生まれているのですね。
以前から、地域の人が集う場である寺に注目していたという宇野さん。
「寺は昔から地域に密着した場所。住民が気兼ねなく来られるようなイベントを、どこかの寺で開ければと考えていました。そのアイデアに賛同してくださったのが、金剛寺住職の中村徹信(てっしん)さん。近隣におてらカフェを紹介するなど、協力してもらっています」
そうして「おてらカフェin金剛寺」を続けるうちに、東山区の高齢化の問題や、地域サークルの少なさを耳にするようになったのだとか。
「高齢者がつながる機会が東山区にはあまりないのでは。そう思い、第2部をつくることにしました。第1部と違ってコーヒーは付きませんが、参加費は無料なので立ち寄りやすいかと思います」
目指しているのは、さまざまな人の憩いの場。4月からは開催日の夜に、おてらカフェの関連企画となる囲碁の会が実施されています。
「これからも、地域の皆さんで楽しめる場所にしていきたいです」