統一テーマも、事前審査もなし。乙訓地域に在住・通学している中学生・高校生なら誰でも出展OK。そんな「第1回バンビオ学生アンデパンダン美術展」が、8月17日(木)~20日(日)、長岡京市中央生涯学習センターで開かれます。学生たちの自由な発想から生まれる作品がそろいそうです。
※展示会への作品の出展は締め切られています
7月中旬、記者が取材に訪れた向日市の絵画教室で熱心に水彩画に向き合っていたのは、洛西高等学校(西京区)の1年生・今村雪音(ゆきね)さん。フリージアの花と、その周りに飛ぶ青色、黄色のチョウチョウ2匹を描いていました。ライトブルーの羽がとてもきれいです。フリージアの色はピンク色。「色のバランスを考えました」(今村さん)
今村さんの隣には、西ノ岡中学校(向日市)の1年生・三藤(みとう)花梨さんが。同じくチョウチョウに、ビビッドなオレンジや青などの色を塗っています。三藤さんは、「チョウチョウの羽を再現するのが難しい」と話します。
この2人の作品を含めた、乙訓地域に在住・通学している中学・高校生の作品が、「第1回バンビオ学生アンデパンダン美術展」に出展されます。
第1回となる今回は、乙訓高等学校や勝山中学校など6校の美術系の部活に所属する学生や、地域の絵画教室の学生から、水彩画やマンガ風のイラストといった約30点の作品が集まる予定です。
学生の自由な発想で描いてほしいという趣旨のもと、出展の際に事前審査は設けず、統一のテーマもなし。主催者の長岡京市中央生涯学習センター・山本真理奈さんは、「私もまだ作品を見ていないので、どんなものが集まるのか知らないんです。どんな作品が出来上がるのかドキドキしつつ、楽しみでもあります」。
受付や作品の展示、照明なども、学生に関わってもらうのだとか。
この展覧会を企画した山本さんは、長岡京市をはじめ、向日市、大山崎町など近隣地域で学生が出品できる展示会の少なさが気になっていたようです。
「私が通っていた尼崎の高校では、毎年、他校と合同で展示会を行っていました。学校の指導の違いで生まれる描き方の癖を感じることができたり、展示の仕方を学べたり。得るものが多かったので、そんな場をこの地域でもつくれればと思ったんです」
イベント名にある“アンデパンダン〟とは、美術業界に規制が多かった1884年のパリで、誰がどんな作風でも自由に出品できるようにと始まった「アンデパンダン展」から取られているそう。
「今回の展示でも、好きな作風で、好きな絵を描いてほしいです」
また、「フランスでは、このアンデパンダン展により、それまでの様式にとらわれない新しい表現が生まれました。学生からそんな斬新な表現が出てきたらという思いもあります」。
今後、第2回、3回と毎年開催していきたいと話す山本さん。乙訓地域から新しい、独創的な芸術が芽生えるかもしれませんね。