京都、そして全国の人が集まる祇園祭。混んでいるからと、子どもと行くのを諦める人もいるのでは。そんな状況を変えようと、2人のお母さんが今年から始める取り組みが「こどもと行こう!祇園祭2017」です。親子で祇園祭を楽しむため、考え出された工夫とは?
「こどもと行こう!祇園祭2017」で進められているのが、「こどもステーション」の開設。授乳・おむつ替えスペース、トイレなどを備えた、0〜6歳の子どものための無料の休憩場所です。宵々山、宵山にあたる7月15日(土)・16日(日)を中心に、約20カ所が開かれます。
「京都芸術センターといった公共施設、店、レンタルスペースなどが休憩場所になります。現状の施設だけではまかないきれていない、赤ちゃん・子どものお世話スポットとして利用していただけたら」とは、早川美咲さん。昨年12月、山本安佳里さんと子育て団体「コドモト」を立ち上げ、「こどもと行こう!祇園祭2017」を企画しました。
発端となったのは2年前、2人が仲間とともにガイドブック「あかちゃんと一緒 京都おでかけ手帖」(萌文社)を出版したことだといいます。
「この本では親子で行きやすいスポットを紹介。次は別な形で、子どもとのお出かけを提案できればと思ったんです」(山本さん)
そこで思い当たったのが祇園祭。2人とも、苦労して子どもと出かけた経験がありました。
「2年前、生後4カ月の娘を連れて祇園祭に行ったときは大変でした。人は多いし、休憩場所は少ないし…」と山本さん。2歳と5歳の子どもを持つ早川さんも「授乳やおむつ替えがなかなかできず、困りました」と振り返ります。
気軽に利用できる休憩スペースがあれば、親子で祇園祭に行きやすくなるのでは。そう考えた2人は、こどもステーションの開設のため動き出します。
山本さんと早川さんは、店や施設にこどもステーションへの協力を呼びかけ。「親子で祇園祭を楽しみたい」との思いに共感し、賛同者が集まっていきました。
その一人が、マスギビル(綾小路通室町西入ル)を運営する株式会社枡儀の上田真三さん。「綾傘鉾(ほこ)のすぐ近くという立地を生かし、ぜひ協力したいと思いました。子どものうちから祇園祭に親しめる、とても良い取り組みですね」と話します。
開放される3階の和室には、ボランティアスタッフが常駐。こちらで離乳食を食べさせてもOKだそうですよ。
御幸町六角を下がったところに立つ、ヒューマンフォーラムビル3階「ムモクテキホール」にもこどもステーションがオープン。京阪電車利用者にとっては、鉾町への通り道になる場所です。
「私も子どもがいるので、子連れで出かける大変さは身に染みています」と言うのは、スタッフの今出貴裕さん。開設時はついたてで仕切りをし、授乳スペースが設けられる予定です。
「子連れだからと外出を諦めるのは残念なこと。こどもステーションのほか、後祭期間には親子ツアーを企画しています。親子で祇園祭の伝統・文化に触れる後押しができればうれしいです」(山本さん)
各こどもステーションの場所、開設日時はウェブサイト(https://kodomoto-tsunagu.com/go-gion-2017/go-gion-map)で紹介。問い合わせはコドモト==へ。