「まずは、紫外線を避けること。一般的に1日20分の日光浴が必要といわれていますが、これは普通に生活をしていたら自然と浴びる量です。普段は日傘や日焼け止めで対策を。そして実はスマートフォンやパソコンのブルーライトも紫外線と同じく悪影響。遮断するシートを貼ったり、見すぎないようにしてください」と土屋さん。
健康的な生活を送ることも重要といいます。
「体のすみずみまで栄養を運ぶために適度な運動を。目安としては週2回か3回、30分の有酸素運動を取り入れましょう。運動不足は組織の老化を進めますし、老化した組織はたるみやすくなります。太ったり痩せたりを繰り返さないこと、むくみの原因となる過度な飲酒や塩分を控えることもポイント。体重変動やむくみが、皮膚が余ることにつながります」
むくまないためには、炭水化物ばかりを食べたり、逆に抜いたりといった栄養の偏った食事を避けてバランスの良い食事にすること、自分に合う枕を選ぶこと、肩こりや首のこりは温めてほぐすことも大切なのだとか。
「強すぎるマッサージや目元をこする行為はNG。まつげエクステやアイテープなど炎症をもたらすような行為にも注意が必要です」
表情筋トレーナーの山本春美さんによると、「表情筋は使わないと衰え、皮膚とともに下がります。無表情でいることが多い人は要注意です」。
トレーニングのコツは「全体を鍛えるために、ゆっくりと行うこと。動作が速すぎると一部の筋肉しか動きません。また、眉間にしわを寄せるなど余分なところに力を入れないように、鏡を見ながら正しい位置を意識して行ってください。習慣化させて毎日続けるのが大事。筋肉を鍛えると、血流がよくなり、皮膚の弾力を取り戻すことにもつながります」。
美容医学研究所ソシエテビザージュ認定講師
表情筋トレーナー
山本春美さん
目の下にある下眼けんに働きかけます。
口を軽く開けて鼻の下を伸ばす。あごを引いてできるだけ上を見る | |
下まぶたを5秒かけて引き上げ(まぶしい目をするイメージ)、そのまま5秒キープしたら、元の状態に戻す | |
【1】【2】を3回繰り返す |
目尻の少し下から上唇に向かって斜めに伸びる小頬骨筋(しょうきょうこつきん)を鍛えます。
唇を軽く閉じ、口角を5秒で引き上げて笑顔をつくる | |
左の口角を元に戻しながら、右の口角を引き上げる | |
右の口角を引き上げたまま右目をゆっくり閉じ5秒数えたら、顔を自然な状態に戻す | |
逆も【1】~【3】を同様に行う。交互に3回繰り返す |
二腹筋と呼ばれる、あごの先から耳の付け根までフェースラインに沿ってつく筋肉の引き締めに。
姿勢を正し、上を向く(無理のないよう、できる範囲でOK) | |
口を軽くあけ、横にゆっくり引いていく。引ききったところでキープして、5秒数える | |
口を閉じて元の状態に戻す。ここまでを3回繰り返す |
「スキンケア以前にマッサージによりリンパの流れをよくして、老廃物を流しましょう。流れが滞るとむくみ、たるみにつながります」と話してくれたのは、オーヴルビューティーアカデミーの奥田浩子さん。
マッサージの方法については「クリームなどで滑りをよくして、リンパを流すイメージでこすらずゆっくりと。胸の間、鎖骨の上のくぼみをさすったら、顔へ。まずは、顎の真ん中から外に向かって横方向にさすり、少しずつ位置を上にずらしながら、おでこの方まで行います。外から内や、下から上にさするのはリンパの流れに沿わないのでNG。最後は耳たぶの後ろから鎖骨にかけてと、頭皮もほぐします。自分でマッサージをするのが難しそうなら、市販の美顔器を取り入れてみてもいいでしょう」。
これに加えて、引き締め作用をうたった美容液を導入するなどして、スキンケアを行うこともおすすめとか。
「化粧水や下地を塗るときも、同じように顔の内から外へ横方向の動きを意識することが大切。化粧水は、はたくだけ、軽く顔を包むだけではダメ。各箇所2、3回ずつ、強くこすらずに、内から外へゆっくりと塗ってください。手でつけてもOKですが、コットンに水を含ませて少ししぼったところに化粧水を垂らして顔につけると、より乾燥させることなく肌になじませることができます」
オーヴルビューティーアカデミー代表
美容家
奥田浩子さん
たるんで見せないためのメイクについても、奥田さんに聞きました。「〝錯覚〟を起こさせましょう。たるみが気になるところを隠すのではなく、違うところに目をいかせることも一つのテクニックです」。たるみ以外のことで、若々しく見えるためのポイントとしては、「まつ毛が少ないと年老いた印象になるので、マスカラで毛量を増やしましょう。また、自分の体の色と調和する似合う色を選ぶことも大事です」