醍醐いきいき市民活動センターの建物の南側に、ずらりと並ぶプランター。植えられているのは全部ひょうたん! 今春結成された「だいごひょうたんクラブ」が、大切に育てています。地域の人たちとの新たな交流も生まれているようですよ。
太陽の光がよくあたる場所に並んでいるのは、大型のプランターと植木鉢が10個ほど。取材に訪れた5月下旬、ひょうたんは葉を広げ、つるをのばし始めていました。
ひと目見て、元気な成長ぶりがうかがえるひょうたんにそっと手をのばし、「そろそろつるを巻きつける支柱がいるな」と話す田中一穂さん。「だいごひょうたんクラブ」のメンバーです。醍醐いきいき市民活動センターのセンター長・内野道代さんの「そうやね。1日でかなり伸びてるわ」という応えに、副センター長の鈴木真貴さんもうなずきます。2人はクラブのサポーター的存在ですが、「気になって、日に何度も様子を見に来てしまうんですよ」とのこと。
隣接する保育園の園児や、通りがかる近所の人も注目しているというこのひょうたん。そもそもは、田中さんが長年の友人で、ひょうたんを育てている辻井政一さんから譲り受けた種を、同センターの交流イベントに持参したことがきっかけでした。同クラブのメンバーにもなっている、そのときのイベントの参加者から「ひょうたんに絵付けをしたり、花入れを作ってみたい」という声が上がったのだとか。同センターのスタッフも、「センターのグリーンカーテンになれば」と賛同。せっかくなので、クラブを結成することにしたのだそうです。
辻井さんからひょうたんの魅力や育て方を聞いたり、他地域で実施されている交流会やひょうたんのワークショップなどに参加していた田中さんを中心に、現在2人のメンバーで活動しています。
成長すると30㎝以上になる特大ひょうたん、千成ひょうたん、丸ひょうたんの3種類130個の種が、個別のポットなどに植えられたのは今年3月。1カ月を待たず発芽したときには、みんなで喜び合ったのだとか。本葉が増えたところで、外のプランターに移植。取材時に数えてみると、40本ありました。
「発芽しない種があったり、せっかく芽が出ても枯れてしまうことも。雌花と雄花が咲いたら受粉させて、秋には実が収穫できるように育てていきたい」とのこと。いくつできるのか楽しみですね。
また、田中さんは「ひょうたんは、水入れや飾りものなど人の暮らしと常にかかわってきた存在。ひょうたんをネタにして、年齢や性別にこだわらない地域交流の輪も広がってほしい」と話します。
日ごろの水やりや追肥といった世話は、同センターのスタッフが中心。「いずれは種を取り出して、来年にもつなげていきたいのですが、その作業のときはにおいがきついと聞いているので、よっぽどなんだと覚悟しています」と笑う内野さん。
現在、メンバーを募集中です。会則があるわけではなく、関わり方は自由。7月3日(月)には、ひょうたんをデコレーションするワークショップが開催されるので、まずはそちらに足を運んでみても。使用するひょうたんは、地元の飲食店の店主が育てた小形のもの。ひょうたんに色を塗ったり絵付けをしたり、オリジナルの作品を作りましょう。