あちこちで見られる竹。風でサラサラと揺れる葉の音に涼しさを感じ、木の香りに心癒やされますね。初夏は、そんな“竹”を求めて出かけませんか。
街中でも竹に触れられる場所があります。
それが、この3月、キリンビール京都工場跡地の一角に完成した「竹の広場」。向日市と京都市の境界線を越え、イオンモール京都桂川の交差点を渡ってすぐに現れる「向日市へようこそ」の看板が目印です。
「市の特産品である竹を身近に感じてもらえるように、できる限り竹で構成する広場を造れたら」と、向日市が地元の竹産業振興協議会の協力を得て生まれた場所。歩道と一体となった細長い約280平方メートルの敷地内に、向日市産の竹がさまざまな形で見られます。
入り口の看板や、ところどころに置かれた八つのベンチ。円形や1人用のものに加え、柱や屋根まで竹のものもあります。全部竹で作られたベンチ、なかなか風情がありますね。
竹の枝を束ねた「竹穂垣」や、古墳の形を表現した「古墳垣」など、「竹の径」に置かれた竹の柵8種の縮小版も並びます。説明書きもあるので、職人技を知る機会になりそう。
敷地内には、「青竹踏み」や、モウソウ竹、ササの姿も。さらに歩道には、竹のチップも練り込まれているんです! ふんだんに竹が使われているからか、竹の香りも感じられましたよ。
嵐山の人気観光スポットの一つ、「竹林の小径」。こちらとはまた違った魅力を感じる「竹林の散策路」が、2015年秋、野宮神社の近くに登場しました。
神社の横を過ぎ、JRの線路を渡った先の、右手に広がる散策路。竹林の中に作られた、1周約5分の通路を自由に歩くことができます。
この散策路を手がけたのは、「人力車のえびす屋」。観光客や市民が自由にゆっくりと散策できるようにと、竹林の管理に使われている道を舗装したのだとか。
竹林に一歩足を踏み入れると、まるで緑のシャワーを浴びているかのような気分に。静けさを感じながら歩いていると、時折、木の間から光が差し込み、きらめきます―。こちらはまだ比較的人も少ないので、ゆっくりと“別世界”に浸れますよ。
「竹は一年中見られますが、今の時季には若竹が生えているため、より濃い色の様子が楽しめると思います」とはスタッフの笹井啓行さん。
この時季ならではの景色が広がっているんですね。