寺院の庭園や参道などで、緑に輝く青モミジを見るのも初夏の楽しみ。散策にもぴったりなさわやかな季節、青モミジ巡りに出かけませんか。※できるだけ公共交通機関の利用を
青モミジと白砂壇の色のコントラストも美しい風景です
法然院のかやぶきの山門をくぐると通路の両側に見えるのが、長方形に盛られた白い砂。この“白砂壇(びゃくさだん)”を守るかのように、青々としたモミジの枝が伸びています。白砂壇の間を通ることは、心身を清めて神聖な場所へ入ることを意味しているそう。青モミジのすがすがしさとあいまって、特別な空間に感じられます。
帯に感謝し、祈りをささげるために作られた帯塚に、青モミジが初夏の彩りを添えています 撮影/谷垣和夫
常照寺では、吉野太夫が寄進した朱塗りの山門の横にある帯塚の青モミジに注目を。四国・吉野川産の6トンの自然石を囲むように植えられています。どっしりとした石の〝静〟と生命力にあふれた青モミジ。この対比がお互いの美しさを際立たせているようです。
多宝塔(写真左奥)からは、眼下の青モミジはもちろん、京都の街並みまで一望できるそう
「もみじの永観堂」と言われる永観堂禅林寺。およそ3000本の木々が紅葉することでも知られています。初夏には、その木々が生き生きとした青葉に。見どころは放生池のあたりのイロハモミジ。池の向こうの山腹に立つ多宝塔が、青モミジと東山の新緑に包まれているようです。
金堂の正面に立つ2本の青モミジ。6月15日(木)には、「青葉まつり」が開催され、収蔵庫と名勝庭園の拝観料が無料になります
広々とした境内にお堂や庭園がある総本山智積院。初夏には、こちらの中心的なお堂である金堂の正面にある2本のモミジをはじめ、境内の木々の葉が緑色に変わります。特に、鐘楼堂に向かう道は青モミジのトンネルを思わせる風景なのだとか。