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京都の写真文化の発展を後押し

三条神宮道の交差点を北へ。前方には平安神宮の鳥居が見える通りの左手に立つのが「京都写真美術館」。4月1日にオープンした、写真専門の美術館です。岡崎エリアに、新たなアートスポットが誕生しましたよ。

「Winter Wonderland」の作品

「Winter Wonderland」の作品は滋賀県で撮影されたそう。展示は5月14日(日)まで

「Winter Wonderland」の作品

2階では5月6日(土)まで「街の余白」を開催。写真中央のカウンターは、日本料理店の内装を残したもの

写真展というと、額に入った写真の数々をイメージするのでは。ですが、「京都写真美術館」1階の展示で飾られていたのは木の板! 雪が降り積もった風景を収めた写真が、木材に直接プリントされているのです。
「あまり見かけないスタイルなので、驚く来館者も多いですね」とは、同館スタッフの能登俊人さん。「木に印刷すると黒色の刷り上がりが墨のような風合いに。水墨画に似た雰囲気になるんです」

この展示は現在開催中の「清永安雄写真展『Winter Wonderland(ウィンターワンダーランド)』」。同館のオーナーで写真家の清永安雄さんが撮影した作品、約20点が並びます。

「2階にも展示スペースがありますよ」と能登さんが案内してくれたのは、同じく清永さんの作品展「街の余白」。 展示されているのは、海外の建物の“壁”を被写体にした約30点。壁の質感や消された落書きの跡など、時の移り変わりを感じさせる写真がそろいます。

ところで、記者が気になったのが展示室の造り。空間の仕切りやカウンターのような台はまるで…。
「そう、以前は日本料理店だった建物を利用しています。2階は特にその雰囲気が残っていますね。この空間を生かしながら、展示を企画していければと考えています」

アート好きや若い世代、岡崎に集う人が訪れる場所に

「京都写真美術館」

神宮道に面した「京都写真美術館」。「雪」「月」「花」と名付けられた、三つの展示スペースがあります

「京都写真美術館」能登さん

「これからさまざまなジャンルの写真を紹介していく予定です」と能登さん

こういった展示スペースの運営のほか、ウェブサイトでの写真の展示などを行う「京都写真美術館」。展示スペースは館内に三つあり、総称して「フォトギャラリー・アルティザン ジャパネスク」と呼ばれています。2月まで近くで開かれていたこのギャラリーが同館に移転し、展示スペースとしての役割を担うことになったそう。

「写真に特化した美術館は、関西では珍しいのではないでしょうか。写真文化の発展に貢献することが、当館の目標です。プロ、アマチュアを問わず、多くの人に刺激を与える施設になれば」と、能登さんは話します。

岡崎エリアに位置するのもポイントの一つなのだとか。
「岡崎はアートに興味のある人や、若い世代が集まる地域です。写真好きの人はもちろん、それ以外の人にも気軽に訪れてもらえたらうれしいです」

今後は国内外の写真家の多様なテイストの展示を開催していく予定とのこと。
「写真には幅広い表現方法があるのだとアピールしていきたいです」

東山区堀池町374-2(地下鉄「東山」駅から徒歩5分)、TEL:080(5988)7720。午前11時~午後6時30分。入場無料。4月25日(火)~30日(日)は「大道登志子写真展 追憶のヨーロッパ(2)」を開催。展示予定についてはホームページ(http://www.artisan-tokyo.com/)で紹介。

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