3月に黄色い花を咲かせる、長岡京市の特産物「花菜(はなな)」。「西代(にしんだい)里山公園」の敷地内にある体験農園の水田には、現在、食用のハナナが植えられています。4月3日(月)〜28日(金)には農園が開放されるので、間近で観賞できるチャンス。摘み取って持ち帰ることもできるんですよ。
公園の入り口に立つと、前方に見えてくる“黄色い”一角。目指す体験農園です。
約300平方メートル(18m×17m)のスペースには14畝が並び、それぞれの畝にハナナがすき間なく植えられています。まさにハナナの花畑! そこに足を踏み入れると、前後左右にハナナ。ハナナに囲まれることなんて普段の生活ではないもの、なんとも楽しい体験です。
ハナナは大人の腰の高さほどあるので、小さな子どもなら目線の先にちょうど花があることに。花の“黄色”と葉の“緑色”が広がる風景は、子どもたちにとっても魅力のあるものになりそうですね。
ふとハナナに目を落とすと、一つの茎に小さな花がたくさん咲いていることや、元をたどれば一つの根から伸びていることに気付きました。間近で見るからこその発見です。
家庭でも緑に親しんでほしいからと、期間中は何本か摘み取って持ち帰ることも可能。ただし、食用のつぼみはすでに摘み取られているので観賞用にとのことです。
取材時、記者は一足早く農園に入ることができましたが、「春の訪れ 花菜観賞」というイベントで開放されるのは4月3日~28日。普段はシカなどの害獣が畑を荒らさないよう張られているネットが外され、自由に立ち入りができるようになります。
そもそもこの取り組みは、「ハナナの魅力をもっと知ってほしくて」と「長岡京市緑の協会」が始めたもの。スタートは昨年10月。長岡京市内の保育園・幼稚園・小学校の約400人の子どもたちが、地元の農家の指導を受けながら農園に食用ハナナの苗を植えました。2月には、摘み取ったツボミを使った料理が給食に出されたのだそう。
一般向けに調理教室を開催したことも。「ツボミを使ってハナナごはんやおすまし、ハナナケーキなどを作ったんです。どれも好評でした」とは同協会の佐藤明季(あき)さん。「ハナナは見てよし、食べてよしなんです」
さらに並行して、昨年からは「タネから花菜いっぱい大作戦! ~来春は長岡京の街中を黄色に彩ろう~」も実施。1000人を超えるボランティア「みどりのサポーター」が、1500株以上のハナナを公共の場や各家庭などに植えたといいます。
場所は、「八条が池」の北側花壇、市役所噴水付近、阪急「長岡天神」駅やJR「長岡京」駅付近など計9カ所。こちらの見ごろは3月いっぱいだったので、満開の黄色い花を目にしたことがある人もいるかもしれませんね。
長岡京市はハナナの街、そんなイメージが定着する日が楽しみです。
自由に畑に入ってハナナの観賞ができます。持ち帰りもOK(無料)