おしゃべりをしたり、“ギター名人”の伴奏で歌ったり。月に1回、「醍醐いきいき市民活動センター 高齢者ふれあいサロン」の一室が、誰でもくつろげる場所として開放されています。
20畳ほどの部屋にはこたつやテーブルが置かれ、育児や仕事の話で盛り上がる人、コーヒーを片手にくつろぐ人、走ったりかくれんぼをして遊ぶ子どもたちが。それぞれが思い思いに楽しんでいます。
「だいごdeドーナツカフェ」という名のこちらの取り組みが始められたのは、昨年の夏。誰でも気軽に訪れることができる交流の場としてスタートしました。申し込み不要で、午前11時~午後3時の開催時間中は入退場自由とあって、取材中も入れ代わりでさまざまな人が訪れていました。
楽しそうに話す女性2人を見つけて話を聞くと、「ここで友達になりました。ほかにもいろいろなつながりができてうれしいです」とにっこり。
「訪れる人も徐々に増えています」とは、「醍醐いきいき市民活動センター」の内野道代さん。
まちづくりの一環としてこうしたスペースを運営する場合、ルールやプログラムを定めるケースも少なくないそうですが、「だいごdeドーナツカフェ」は、何をするかは特に決まっていないのだとか。
運営スタッフの一人は、「居心地の良さを感じてもらえているのか、リピーターも多いんですよ」と話してくれました。
途中には、ギター演奏も。演奏者は、ギター歴50年の尊鉢(そんぱち)敏史さん。参加者の一人から“名人”として推薦され、毎回演奏をしているのだとか。
尊鉢さんがゆっくりと演奏を始めると、少しずつ人の輪が増えていきます。メロディーに合わせて体を揺らす人、一曲が終わると次の曲のリクエストをする人も。
終盤、「上を向いて歩こう」が始まると、合唱タイムに。居合わせた人同士が好きな形で時間を共有していました。
それはそうと、どうして名前にドーナツと入っているのでしょうか?
「近くの『社会福祉法人京都身体障害者福祉センター 京都市だいご学園』で、毎月第1水曜日に行われるドーナツやパンの販売会の日に開いていて、こちらにちなんだ名前なのです。座ってゆっくりとドーナツなどを食べながら交流できる場所として、この部屋を開放しました」と内野さん。
「ふだんは炭水化物をセーブしているけれど、この日は食べていいことにしてるの。それも楽しみ」と笑う参加者もいました。
もちろん、セルフサービスのコーヒーを飲むだけ、おしゃべりだけといった参加もOKです。
問い合わせは、醍醐いきいき市民活動センター=TEL:075(571)0035=へ。