そこはまさに、〝趣味が高じて”生まれたスペース。大山崎町の民家の一室で、鉄道ジオラマが展示されています。持ち主がレールの設計から始め、3年かけて完成させた自慢の作品。毎週日曜日に公開されていますよ。
「今日も午後から4組の予約が入っているんです」とは、自宅の一室を「ジオラマコウボウ」として公開する加田(かだ)宗孝さん。見ると、ミニチュアの町が部屋一面に。鉄道模型がシューッと心地よい音を立てながら走る光景は、電車好きでなくてもロマンを感じてしまいます。
加田さんが手作業でつなげたというレールの長さは、合計で約400m! 電車やレールはもちろん、駅や線路沿いの住宅もあり、町並みは本物さながらです。
67歳の加田さんがジオラマ製作を始めたのは6年前。長男が幼いころに遊んでいた鉄道模型を見つけたことがきっかけでした。
「プラスチック成形の仕事をしていたこともあり、細かい作業は得意。プラモデルは以前から好きだったのですが、鉄道模型に出合い、その魅力にとりつかれました」
鉄道模型を集めるうち「自分でジオラマの町を作りたい」との意欲がわいてきた加田さんは、線路の設計をスタート。使う模型は市販のものですが、スムーズに鉄道模型を走行させるために線路の角度の調整したり、建物の中に人を加えるなど、工夫を凝らしていきました。
そんな作業を積み重ね、3年がかりでジオラマの町が完成。レールを走る鉄道模型は、4000種類以上。すべて加田さんのコレクションです。今日はどんな車両を走らせているのか、訪れるときの期待も高まりますね。
「ジオラマコウボウ」の公開は3年前にスタート。昨年2月に加わったのが、リニアモーターカーの路線です。
「これでこのジオラマの町の完成です。リニアの模型は市販のものですが、品薄で入手困難な状態だそうです。ここで多くの人に見てもらえたらと思います」
実物と同じく、模型も本体とレールに付いた磁石の反発で動く仕組み。板で手作りの柱を作り、その上に線路を敷いてリニア用の高架レールを製作しました。
「つなげたレールにわずかでも段差があると、脱線してしまいます。レールを支える柱の高さは均一になるよう、1mm単位で削って調整。このように高架レールを走るリニアの模型は、あまりほかにはないのでは」
リニアを走らせるようになってからは、見学客も増えたとか。
「熱心な鉄道ファンは、3時間くらい滞在していくことも(笑)。親子で見に来てくれる人もいます。訪れた人と交流できるのも楽しいですね」
公開は毎週日曜日の午前11時、午後1時、午後3時の計3回。要事前予約。申し込みは加田さん=TEL:080(3768)1285=へ。