京都は身近な場所でアートを楽しめる街。今月も、市内でさまざまな展覧会が行われます。その中から、現代アーティストの作品を見られるものを4つピックアップ。いずれも入場無料です。何を表現した作品なのか、想像を膨らませながらアートに触れる時間をつくりませんか。
富小路
高辻
小谷真輔さんは、多彩で独創的な色使いを得意とする油彩画家。2月11日から、個展「happening(ハプニング)」を開き、この1年で制作した絵画約10点を展示しています。
自分の中にある〝理想郷”を投影させ、緻密な絵を描いてきた小谷さん。今回の個展では、従来の作風の絵に加え、思うがままに筆を走らせた、勢いを感じさせるタッチの作品も並びます。
個展「happening」
室町
蛸薬師
京都芸術センターで開催の「スポンテイニアス・ビューティー ―作家のいない展覧会―」は、京都の街・家庭にある物を〝手を加えずに”展示する斬新なスタイルの展覧会です。
例えば、近隣住民から借りたたくさんの掛け時計。改めて見てみると、日常に溶け込んだ物が持つ美しさや価値を感じられるかもしれませんね。
「スポンテイニアス・ビューティー ー作家のいない展覧会ー」
姉小路
東洞院
まるで万華鏡をのぞいたかのような幾何学模様の写真。「アブストラクト・フォトグラフィー フランス写真家7人展」で、30点余りが公開されます。
「人物や風景などを目に映る通りに撮るのが写真本来の機能ですが、それを超えた表現手段も知ってもらいたくて」と話すのは、展示会の主催者であり、出展者でもある佐藤純さん。
右の画像は、佐藤さんによる1枚です。被写体が何か分かりますか?正解は、折り紙。色付きの照明を当てて撮っているそう。他の写真家からは、街灯の光や窓がモチーフの作品などが出展されます。
「アブストラクト・フォトグラフィー フランス写真家7人展」
東山
「私が題材にするのは、体の一部や自分が見たものなど、とても狭い範囲にある物だけです」とアーティスト・榎本奈々子さん。個展「身の丈に合わせる」では、彼女が着用していた古着をリメイクした物など、全4種の新作が披露されます。
今回のメインは、壁面の〝ピンク色のライン”。階段から展示室まで続いていて、床上158センチの高さに引かれます。
このラインが示すもの、それは榎本さんの身長。個展のタイトル通り、この線より下、作者の身の丈に合わせた空間で、作品を鑑賞できますよ。
個展「身の丈に合わせる」