3月3日は桃の節句。市内各地で、ひな飾りの展示が行われます。表情や装いなど、それぞれに異なる意匠が施されたひな人形をめでに出掛けませんか。
法住寺では「つり雛(びな)展」が催されます。つりびなとは、人形や花、金魚、トウガラシなどの形をしたちりめん地の飾りを、ひもにたくさん通して天井からぶら下げるタイプのひな飾り。
花は「美しく育つように」、トウガラシは「悪い虫が付かないように」と、飾りにはそれぞれ願いが込められているとか。3間ある書院に多数つるされているのは、全て住職の祖母の手作りだそう。
その他、書院にはひな壇も置かれ、人形が並べられます。
市比賣(いちひめ)神社は、女性守護の御利益で知られる神社。そのため、毎年3月3日には大勢の女性が訪れます。当日の社務所には、ひな人形はもちろん、牛車やたんすなど小さな〝お道具〟がずらり。これらは、同神社に古くから伝わる物だといいます。
午後1時からは「ひいなまつり」も実施。この祭りで好評なのが、人が扮(ふん)する〝ひとびな〟です。おひなさまとお内裏さま、そして五人ばやしや三人官女が登場。雅楽や舞を披露します。
着付けの実演や投扇興の体験もあり。平安貴族の暮らしについて詳しくなれそうですね。
皇室と関わりが深く、多くの御所ゆかりの人形を所蔵する宝鏡寺。3月1日(水)から約1カ月間は、恒例の「春の人形展」が開催されます。光格天皇より与えられた「有職雛」や手足を曲げられる「三折(みつおれ)人形」などさまざま。
今回は人形展が60周年を迎えるということで、より充実した内容に。初日にあるひなまつりでは、例年奉納される島原太夫の舞に、文楽の上演が加わります。さらに、期間中は通常非公開の書院が拝観可能。こちらには等身大の人形が飾られ、御所の暮らしぶりが再現されます。
千両ヶ辻かいわいの活性を目的に、大宮通の今出川~中立売通の商家などがひな人形を公開する「千両ヶ辻 ひな祭り」。
会場の一つ「水野克比古フォトスペース 町家写真館」は、趣ある町家。江戸時代~昭和の各年代のひな人形を展示しています。時期ごとに異なる表情を見比べるのも面白そう。写真家である水野克比古さん、秀比古さんの写真も鑑賞できます。「和文化をずっと大切にしてきた千両ヶ辻の町を、存分に楽しんでください」と秀比古さん。生糸問屋の土蔵を活用した催しも企画中とのこと。