左京区のまちづくりに関心がある人たちの交流の場にと、区が開催している「左京朝カフェ」。ここで出会った人たちによって結成された「世代間交流グループ」が、昨年から地域の踊りを若い世代に伝える取り組みをスタートしています。
2012年の発足以来、写生会や懐かしい遊びのワークショップなどを年に3~4回実施してきた「左京朝カフェ世代間交流グループ」。「幅広い世代の人々が、文化を介して交流することを目指しています」と同会の安本俊昭さんは話します。
そんな同会が踊りに注目をしたのは昨年の春、段ボール工作のワークショップを行ったときのことです。そのとき同時開催をしていた生演奏のライブに合わせ、その場にいた子どもたちが輪になって踊り始めたのだそう。すると大人も一緒に踊り始め、さながら盆踊りのように。
それを見た安本さんら3人の同会メンバーは、「踊りをテーマにしたイベントは、大人も子どもも参加しやすいのでは」とひらめいたと言います。
自分たちが取り組むなら、〝左京区〟〝文化〟をキーワードにと文献などで調べてみたところ、地域には「市原ハモハ踊・鉄扇(てっせん)」「松ヶ崎題目踊・さし踊」「八瀬赦免地踊」など20以上の伝統的な踊りがあることが分かりました。さらに、その多くは踊り手の高齢化もあって、このままだと失われてしまうと危惧されていることにも気づいたのだそう。
これらの踊りを子どもたちやその親世代に知ってもらいたいと、踊りをテーマにしたイベントを開催することになった同会。高齢化が進む踊り手にも、教える喜びを味わってもらい、世代を超えた交流につなげたいとの狙いもあります。
昨年10月の1回目のイベントでは、「北白川伝統文化保存会」に教えてもらい、左京区の登録文化財に指定されている「鉄仙(てっせん)流白川踊」に挑戦。これは、江戸時代の庶民の踊りで、当時話題になった石川五右衛門が処刑場に連れられていく場面を描いた歌に合わせた踊りだそう。子どもたちにより興味を持ってもらえるようにと、「五右衛門風呂を作ってみよう」と段ボール工作も取り入れました。
次回は、2月・3月に、さらにパワーアップした内容で企画されています。
2月は18年前、左京区制70周年を記念して作られた「左京音頭」も加わります。指導は左京区の吉田や岡崎などの女性会「民踊(みんよう)部」。80歳を超えたメンバーも多いとのことで、次の世代へという気持ちも強いのだそう。
3月は、戦後すぐに作られた古いバージョンの「左京音頭(京の左京の盆踊り)」も参加者とともに踊ろうと企画されています。昭和と平成、2つの「左京音頭」を踊り比べるのもおもしろそうですね。
初心者向けの指導もしてもらえるので、気軽に参加して。できるだけ事前に申し込みを。問い合わせは安本さん=携帯電話:090(9612)9068=へ。