シンプルな服であれ、個性的な服であれ、“その人らしい”と思えるということ。それは、その服が似合っているということです。では、“おしゃれさん”は、どのように自分に似合う服を選んでいるのでしょう。年代が異なる5人の女性に聞いてみました。それぞれの声をヒントに服選びをすると、みんなからこんなふうに言われるかも。「その服、よく似合ってるね!」
佐藤枝美さん
佐藤枝美(えみ)さん(50歳)は、服のデザイン画から型紙を起こすパタンナーとしてフリーで活動。
169センチという背の高さをよりスッキリと見せるため、ベーシックでシンプルなアイテムが基本です。かわいいテイストや個性の強いデザイン、ボリューム感のある服などは派手になり過ぎるためNGだとか。
「洋服選びは、着たときに体のおさまりがいいことが基準。不自然なシワがあったり、常に肩の位置などを直したくなるものは、体に合わないということです」
取材時の佐藤さんの装いもシンプルですが、コートの下のタイトスカートは鮮やかなブルー!
アクセントにもなり、大人のカッコよさを感じる佐藤さんによく似合っています。
「以前はモノトーンやナチュラルカラーのものを好んで着ていました。ですが、最近は肌映りのよいこんなキレイな色にもトライ。その際は抑えた色を合わせるなど、全体のバランスをしっかりチェックします」
年齢によっても“似合う”は変化。肌の色がくすむ年代にさしかかると、それまでは似合っていた色に違和感があることも。逆もまたしかりです!
山本百代さん
丸襟のブラウスにカーディガンを羽織り、ボトムはロングのギャザースカート。
「『その年で、そんなかわいらしい服が似合うとは』ってよく驚かれます(笑)。この格好のせいか、お客さまが気軽に話しかけてくださいますよ」
そう話すのは「ブティック リアン」のオーナー・山本百代さん、72歳。身長は142センチと小柄です。
「私には年齢や体形によって、『これを着たらダメ』というルールはありません」
背が低い人は、長い丈やボリュームのあるスカートは避けがちですが。
「似合わないと思い込んでいる人も多いとは思います。でも、背が低いことも持ち味。それは気にせず、自分が好きで、かつ上品に見えるものを選びます。大切なのはバランスです」
山本さんの場合、スカートはふくらはぎが隠れるくらい。襟もとが開くと頭部が大きく見えるとのことで、ブラウスは比較的詰まったデザインがベストとか。
このバランスは、一人一人異なります。好きという直感と、いろいろ試すという経験が大切といえそうですね。「似合うとは、着る人の魅力がより高まること」。そんな山本さんの言葉を励みに、“バランス探し”をしてみては。