伏見に住む男性5人が、この5月に「ふしみBa」という団体を立ち上げました。地域の魅力や資源について、メンバーはもちろん、地域内外の人たちも一緒に学べるイベントを開催するなど、伏見をよりよい町にしていきたいと活動しています。
11月下旬、取材に訪れたのは伏見区深草にある「喫茶うずら」。「ふしみBa」主催で「伏見・深草の親水空間~疏水の活性化に向けて」と題した、伏見の水辺の空間について考える講座が開催されていました。
当日は、地域の人を中心に15人が参加。講師は、京都聖母女学院短期大学の元教授で建築計画が専門の西尾信廣さんです。まずは、伏見区内にある鴨川運河(疏水)をはじめ東高瀬川、濠川、七瀬川といった河川について、西尾さんが画像とともに紹介。
「河川の水辺は柵で覆われているところが多く、周辺住民の生活と水辺は切り離された形に。水辺で遊んだり憩う姿は見られません。住民の生活にうるおいをもたらす場所、また自然環境の面からも貴重な水辺の空間が生かされていないのです」
気になる活用法については、「例えば、鴨川運河を舟で行き来したり、水辺で生き物を観察したりといった河川と水辺の活用が広がれば、地域の活性化にもつながります」と西尾さん。
全員で感想や意見を交換し合う場も設けられ、「伏見の水辺でアートイベントをしては」など、さまざまな声が上がっていました。
講座を主催する「ふしみBa」のメンバーも、伏見に詳しい人ばかりがそろっているのでしょうか。
「いや、私は勉強中です」と笑う汐崎澄夫さんは、伏見在住40年以上になるものの、伏見に関心を持ちだしたのは定年退職をした3年前ごろから。地域の活動に参加したことがきっかけとか。「ふしみBa」代表の大倉正暉さんも、「私も同じようなものです」と返事が。「伏見のことをよく知らなかったので、いろいろな活動に関わってみることにしたんですよ」
そして、2月にこの「喫茶うずら」で開催された催しで、メンバーは出会いました。
「5人で伏見について語り合っているうちに、みんなが歴史や文化など伏見の魅力と可能性をもっと意識すれば、愛着が増して街が盛り上がり、地域の人もつながっていくのではないかという話に。そこで〝ふしみBa〟を結成して、みんなが参加できるイベントを企画。伏見でつながった、伏見が大好きな人間の集まりなんです」(汐崎さん)
結成後の5月、伏見の歴史や文化について学ぶ講座を初開講。9月には伏見に残る伊藤若冲ゆかりの地を巡るウオーキングイベントを開催。そして、今回の河川や水辺の活用について考える講座。
来月には、伏見で活躍する6人が講師となり、地域について学んだり語り合えるイベント「ふしみanカレッジ」が予定されています。現在参加者を募集中。詳細は表参照。伏見在住の人はもちろん、伏見について知りたいほかの地域の人も参加できますよ。
※各テーマは変更される場合あり
第1部
第2部
講師と参加者のディスカッション
コーディネーター/田中敏博さん