秋の訪れを感じさせる花の一つが菊。この時期、菊を観賞できる催しが市内各所で行われます。そこでは色、形、さまざまな菊が並び、種類の豊かさに驚かされるかもしれません。秋が更け、見ごろはもうすぐ。あなたも足を運んでみませんか。
10月の半ばから約1カ月間、閑静な境内に色鮮やかな菊の華やぎが加わります。
「さすが泉涌寺さんやな、きれいやなと思ってもらいたくて」と話すのは、泉涌寺に菊を納める「京都菊花会」の長谷川さん。飾られるのは、同会のメンバーが丹精を込めて育ててきた大菊や、小菊の盆栽など。「花がほころんでいく様子も見てもらいたい」と、つぼみの状態から陳列するそう。
11月3日(祝・木)には栽培技術を競う品評会を実施。ちょうどそのころ、満開を迎えます。
京都府立植物園では10月20日(木)〜11月15日(火)の期間中、大菊はもちろん、洋菊や古典菊など大小さまざまな種類の花が咲き誇ります。
例年来園者を驚かせているのは、2mほどある小菊の〝懸崖(けんがい)仕立て〟。そびえ立つ崖に花が群生する様子を表現した栽培方法で、このサイズで作るには技術を要するとのこと。間近でその技を感じてみては。
そして、今年の注目ポイント! 黄色とピンクの鮮やかな菊花で帆船を覆ったモニュメントも登場します。長さ4m、幅は2mほど。実際に乗船も可能なので、記念撮影のスポットにおすすめですよ。
10月15日(土)~11月12日(土)開催の「本願寺献菊展」。
展示されるのは、300鉢ほどの菊。〝福助”という背の低い状態で咲かせた大菊や、たくさんの小菊をブーケのようにこんもりと植えた〝ドーム菊”などを観賞できます。花弁が細く、茶せんのような花を付ける京都の名産「嵯峨菊」も目を引きます。
今回で63回目を迎える同展。西本願寺の秋の風物詩として親しまれているのだとか。
10月後半から11月25日(金)に献菊展が催される吉祥院天満宮。平安時代から菅原道真を祭る神社です。
境内に並ぶのは30鉢近くの菊。氏子や農家の人から納められた直径20㎝ほどの大輪の花が、3本ずつ一つの鉢に植えられています。これを“3本仕立て”と呼ぶのだそう。真っすぐ、シャンと立つ姿からは気品が漂います。
見ごろを迎えるのは七五三が行われる時期。子どもたちの晴れの日を彩る存在ですね。