右京区・沢ノ池
「沢ノ池」(右京区)は、江戸時代に造られたという大きなため池。標高370mの山上にあります。池の近くまで車で行けるルートもありますが、今回は高雄方面から山歩きをしながら向かうことに。出発地点は西日本JRバス「槇ノ尾」停です。
清滝川にかかる白雲橋(はくうんばし)の手前の福ケ谷林道(ふくがやりんどう)を進むと、いよいよ山道らしくなってきます。要所要所に「京都一周トレイル 北山コース」の標識があり沢ノ池の方向が示されているので、それを見ながら進んでいきます。
歩くこと約1時間。木々の向こうに見える空が広くなったみたいと思っていると、視界が開けるように沢ノ池に出ます。空と山を映す水面は穏やか。それを見つめながらゆったりとした時間を過ごせそうな場所です。池のほとりは平地があるので、レジャーシートなどを持参し、ここで休憩してもいいかもしれません。
その後は林道に戻り、京見峠方面へ。木立の間に続く、落ち葉でフカフカの道を歩くのは快適。京見峠からは、車に気をつけながら舗装道路を歩きます。約1時間で市バス「鷹峯源光庵前」停に到着です。
立ち寄りスポット
山の家はせがわ
トレッキングやサイクリングを楽しむ人たちがよく利用するレストラン。スープやサラダが付いた「ハンバーグセット」(1200円)や、プリン、チーズケーキなど自家製のスイーツ(数量限定)も人気です。
●北区鷹峯船水3、TEL:075(494)5150。午前11時~午後5時(土日祝は午前10時30分~午後8時)※12~3月の土日祝は平日と同じ営業時間。無休
宇治田原町・大滝
宇治田原町・湯屋谷の「大滝」は鷲峰山系、田原川の源流で町内最大の滝。毎年9月1日にはウナギにお神酒を飲ませて滝つぼに放す、雨乞いの神事が行われています。
取材時は、発着地点の「湯屋谷会館」まで車で。同館のパーキングが利用できるので、ここに駐車し、いざ出発!
少し進むと「うじたわら湯屋谷郷の案内板」があり、少し懐かしさを感じる雰囲気の街並みを抜けると山道に出ます。山道といっても、舗装されているので歩きやすいコースですよ。
杉木立の間を通っていると、どこからともなく鳥の声が―。「この鳥じゃないですか」とカメラマンがスマートフォンで検索してくれました。こういう楽しみ方もあるんですね。
約50分で鳥居が現れ、大きな滝と小さな滝が連なって流れ落ちている景色が目に映ります。ここが、目的地の大滝。滝のすぐそばの石段を登ると、水しぶきが飛んでくるほどの距離まで近づけます。これは涼しい!
それまでの暑さが和らぐクールダウンスポットです。
帰りは、来た道を折り返します。のんびりとした山歩きができました。
立ち寄りスポット
永谷宗円生家(ながたにそうえんせいか)
「青製煎茶(あおせいせんちゃ)製法」という、製茶の歴史上で画期的な製法を開発・普及させたといわれる永谷宗円。代々の永谷家が暮らした屋敷の跡に、建設された見学施設です。外観の見学は自由、土日は室内の見学も可。
●綴喜郡宇治田原町湯屋谷小字空広。問い合わせは宇治田原町産業観光課=TEL:0774(88)6638
亀岡市・牛松山
保津川とともに亀岡盆地のシンボルとされる牛松山は、“丹波富士”と呼ばれています。
登山口から山頂までは、一丁から十八丁までを示す“丁石”が設置されているので、それを頼りに登るのはスタンプラリーのような気分。
…とウキウキしていたのは前半のみ。実は今回紹介した4カ所のうちで、一番登りごたえがあったのがこちら。道が険しいわけではないのですが、距離が長く時間がかかる分、体力を使うので、最後は「あと、三丁…」「まだ着かないの~」と、少々その道標がうらめしく見えたこともありました。
とはいえ、それも山歩きならでは。ゆったりとした尾根道を登っていくと、途中、眺めのよい場所が2つほどあります。青空の下、亀岡市街、田園が広がる様子を一望でき、高いところまで歩いてきたんだなと実感。吹き抜ける風もさわやかです。リフレッシュできたところで、さぁ、再び出発です。
緑があふれ、避暑地のような雰囲気が漂う雑木林が杉林に変わってきたら、山頂はもうすぐ。最後に大きな鳥居をくぐって階段を進むと、頂上に「金刀比羅(ことひら)神社」があります。こちらには“保津川下りの船乗りたちの神様”がまつられています。灯籠が立ち、船の安全を祈る人たちの思いが伝わってくるようでした。
参拝後は、下山。あのすてきな景色にまた出合えるのが楽しみです。
立ち寄りスポット
へき亭
築300年以上の武家屋敷を利用した和食店。地元の野菜と豆腐を使った同店自慢の料理を手軽に味わえるランチメニュー「むしやしない御膳」は1944円。名物の野菜の煮物や、ぶぶしゃぶなど全5品。昼夜ともに予約を。
●亀岡市千歳町毘沙門向畑40、TEL:0771(23)0889。午前11時30分~午後2時、午後5時~9時。木曜休