「育児のことを気軽に話せる友達がほしい」。そんな思いを胸に、一人のお母さんが立ち上げた「とも会」。0歳〜1歳半くらいの子どもがいるお母さんと、妊婦が対象の交流会です。笑いを誘うエピソードから育児の悩みまで、子どもの話題で盛り上がっていますよ。
大勢の親子でにぎわっていたのは西国街道沿いに立つ「カフェ chaco(チャコ)」の2階。こちらで毎月第3木曜日、「とも会」が開催されています。参加者は回ごとに募集。取材日には14組の親子が訪れていました。
「今日で4回目ですが、こんなに集まったのは初めて! 半分くらいが初参加なので自己紹介をしましょうか」と声を掛けたのは、主宰者の岩本知世子さん。1歳4カ月の女の子を育てています。
「長崎県出身で、友達づくりを兼ねて来ました」「娘は9カ月。離乳食よりまだミルクが好きみたい」といった話が出る中、「うちの子は最近元気すぎて。家中の物を壊すんじゃないかと思うくらいです」なんてエピソードも。早くも笑いが起こります。
その後は料理に使うハーブソルト作りにチャレンジ。二つのグループに分かれ交代で作ることになると、「面倒見てるから先に作ってきていいよ」「物投げたりしたらごめんね~」と、参加者同士で子どもを預かり合います。
「スタッフで園芸療法士の〝くりりん〟がハーブソルトの作り方を教えてくれます」と岩本さん。〝くりりん〟こと、佃(つくだ)知沙さんが「香りが強いハーブもあるので、入れすぎに注意してください」と呼びかけます。
一方、もう片方のグループは子どもを遊ばせながらの交流タイム。「ご近所なんですね。今度一緒に公園に行きませんか」「ぜひ。同じくらいの年の子がいるお母さんに知り合いがあまりいなかったんです」と、新たな縁も生まれていました。
岩本さん手作りの離乳食の試食会も実施。「今、娘が気に入っているのがこれです」と岩本さんが紹介したのは、子どもが手づかみで食べられるよう、シラスを棒状にした「しらすてぃっく」。「そんなメニューがあるんだ」と、驚きの声が上がります。
「レシピを見て作ってもうまくいかなくて。詳しくアドバイスしてもらえるので参考になります」と話すお母さんもいました。
3月から活動をスタートした「とも会」。岩本さんが子育てで感じた思いが発足のきっかけでした。「育児をすると、こんなときほかの人はどうしているんだろう、という疑問が出てきて。同じくらいの年の子を持つ人と情報交換したり、悩みを話したいと思うようになりました」
そして、親子が気軽に集まれる場をつくることに。「保育園で管理栄養士として働いた経験を生かし、離乳食の相談にも乗れたらと考えました。参加費が無料なのもこだわりです。有料だったら私は参加しないので(笑)」
スタッフの佃さんは2回目に参加者として来場。「できることがあればと、お手伝いを申し出ました。いろいろな人と出会えるので、楽しいですよ」(佃さん)
「将来は親子で集まれる店ができたらな、と思っています。季節ごとのイベントなど、今後『とも会』でやりたいことがたくさん。参加者の交流も広がればうれしいです」
※要予約。定員あり